失業しても安心できる

失業手当は、雇用保険加入者が失業したときにもらえる手当(基本手当)ですが、65歳以上になると給付金の種類がガラリと変わります。

65歳以上の失業者には、「高年齢求職者給付金」として、支給日数の30日または50日分が一括で支払われます。高年齢求職者給付金の受給資格は、次のとおりです。

● 退職日直前の1年間で雇用保険に加入していた期間が通算6カ月以上ある
● 65歳以上で働く意思がある

ちなみに、雇用保険に1年以上加入していれば、50日分がもらえます。高年齢雇用継続給付金の1日分の上限金額は7065円ですので、最大35万3250円ほどの給付を受けられる可能性があります。高年齢求職者給付金は、所得とはみなされないので非課税です。

また、こうした手当は年金をもらいながら、給付を受けることもできます。雇用保険は、要件を満たせば、65歳以上でも加入できます。正社員にならなくてもパート、アルバイト、派遣社員、契約社員でも大丈夫です。

加入要件は、

● 週の所定労働時間が20時間以上
●31日以上の雇用見込みがある

ということ。

20時間といえば、およそ週3日程度ですね。私が「週3ワーク」を推奨する理由の一つがこれです。

さらに、2028年10月から対象を「週10時間以上の労働時間」まで拡大する予定になっています。となると、週2日程度の勤務でも恩恵を受けられます。ハードルがぐっと下がりますね。

写真=iStock.com/AscentXmedia
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国民年金より、会社の健康保険に入ったほうが3倍得

健康保険には、年金受給者や自営業者が加入する国民健康保険(国保)と、会社の健康保険(健康保険組合や協会けんぽ)がありますが、一般的に会社の健康保険のメリットが多いといえます。

老後の生活においてなんといっても大きいのは、保険料の差です。

具体的な例を挙げてご紹介しましょう。働いた分の年収が106万円で、年金が220万円で合計の年収が326万円だったとします。

この場合、社会保険に加入している人の保険料は、単身の人で年5万2800円。一方、2024年度の横浜市の国民健康保険料で試算すると、健康保険料は年18万7970円です。なんと3倍以上の差です。

なぜ、こんなにも差があるのかというと、協会けんぽや健康保険組合に加入している人は、働いた分の収入(106万円)だけが保険料計算の対象になるからです。そして、なんといっても大きいのが、保険料の半分は会社が負担してくれることです。