モラハラ夫

そんな、結婚までの道のりが波乱に満ちていた如月さんの新婚生活は、順風満帆だったかといえば、そうではなかった。蓋を開けてみれば、彼氏はモラハラ夫だったのだ。

「交際していた頃から仕事人間で交友関係が広く、人から受けた恩は必ず返すタイプだったのはいいのですが、私や子供に対する愛情表現があまりなくいつも仕事や自分が優先でした」

教育系の仕事をしていた夫のモラハラが始まったのは、如月さんが結婚後に再び妊娠し、仕事を辞めた頃からだった。退職は以前流産した苦い経験からの対応だったが、夫はそんな妻の不安に鈍感だった。

「知り合って約3カ月での妊娠・結婚だったのですが、私が夫の収入で生活をするようになると、自分の収入が私に使われることにストレスを感じるようになったようです」

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如月さんは、25歳で第1子、28歳で第2子、30歳で第3子、34歳で第4子を出産。子育てや家事に協力してもらおうとすると、「子育てと家事がお前の仕事だろう!」と怒鳴られ、お金の使い方に細かく口を出された。ひとたび反論すれば、「とにかく稼いでいるほうが偉いんだ!」と一蹴された。

悩んだ如月さんは、第1子を出産して半年たった頃からアルバイトや派遣社員として働き始めた。

「夫は、これまでは自分のお金を自分で管理できていたのに、結婚してからは、自分で稼いだお金の出口がわからない。思ったより貯まらない……というストレスだったようで、家事も育児もワンオペで頑張っていた私の頭の中には常に『離婚』の2文字がありました」

ただし、離婚するためにも、「もっと稼がなくてはならない」。そう思って30歳の時に始めたのが、現在も続いているIT関係の仕事だった。

「私が(IT系で)働き始めてから、夫のモラハラはウソのようになくなり、今は私や子どもたちのためにいろいろしてくれるようになりました」

現在は、住宅ローン、家事代行、保険、ガソリン、ETC、学校の会費や保育料は夫が払ってくれ、そのほかの食費、お菓子代、外食費、交際費、衣類や洗剤などの消耗品は全て如月さんが支払って、バランスを保っているそうだ。

今、ようやく幸せを実感できるようになった如月さんだが、これまでの人生を振り返ると、苦難の連続だったことがわかる。