大きな夢を語れる人の脳は老化しない
前述のように、知りたいことは一瞬で調べられるこのAIの時代において、豊富な知識を持つことには、そこまで大きな意味はないと個人的には思います。
それよりも、周囲の人の想像の範疇を超えた、ユニークな夢や型破りなアイディアを語れることのほうが、ずっと人としての面白みや深みがあると思います。
型にはまらない発想ができるということは、知的冒険を叶えるということにつながります。枠にとらわれない自由な発想ができることこそ本当の知性です。そのような知性を持ち合わせた、話が面白く、独自性のある人は、いくつになってもモテるでしょう。
そして脳は新規のものを好みますから、自由な発想でのびのびと夢を語るときに、水を得た魚の状態になるのです。
「恥知らずだと思われたくない」「非常識な人間だとみなされたくない」という思いに縛られず、ぜひ知的な冒険を楽しんでみてください。
現状に足りないもの、実現したらよいものを見つけて提案できる人は、いつまでも脳の若さを保てますし、特にこれからの時代に輝いていくはずです。
皆さんも日常生活を送るなかで、シニア世代だからこそ感じるニーズや得られる発想が、きっとたくさんあるはずです。
たとえば、高齢者のおひとりさま向けのレストランがあったら居心地がよくて楽しそうだなとか、ずっと自分の行動を詳細に記録してくれるスマートウォッチがあったら、ものの置き忘れなどにも困らなそうだなとか。
あるいは交通量が多い横断歩道を渡るのはちょっと怖いから、シニアを乗せて運んでくれるドローンがあったらいいなとか、常にそういった課題やニーズを発見し、そのためのアイディアをのびのびと巡らせられる人は、脳や心の若々しさを保つとともに、生活に張りをもたらすことができるでしょう。
それだけでなく、この年齢になったからこそ得られた気づきが、そのままビジネスチャンスにつながり、人生が一変する可能性だって大いにあります。
まさに『ドラえもん』の世界ですが、「こんなことができたらいいな」とドラえもんに気軽に提案できる、のび太くん的な生き方を目指してみましょう。
そういう姿勢で過ごしていると、脳も思考もみるみる柔軟になっていくとともに、世の中を見渡すのが楽しくなっていくと思います。
ぜひ、大きな夢を描き、人に語ることを恐れないでください。「突拍子もないことを言って、人にどう思われるかな」などと気にする必要は、まったくありません。脳を元気にするのは、快活な積極性なのですから。