ゆうかさんが家の片づけに取り組むと、夫は「やっと家のことに関心を持ったのか」とうれしそうな様子。家のことはゆうかさんよりも知っていたので、片づけのときは相談に乗ってもらうことも多く、夫とのコミュニケーションも増えました。
「まず、私はどこに何があるかを把握していませんでした。私自身が家のことに関心を持って、すべてのモノを把握することから始めると、部屋に血が通うような感覚がありましたね」
母のモノは母に決定権があるので手をつけず、自分たちの荷物はひと通り“いる・いらない”を判断し、不要なモノは手放しました。
子どもたちもゆうかさんのマネをして、一緒にモノの選別をしたり、自分でゴミ箱に捨てたりしてくれるようになりました。お風呂の前にみんなで片づけて、きれいになったらアイスやデザートを食べるという“お片づけタイム”を始めると家族にも大好評。
モノが減ってスッキリしたものの、モノの定位置を決めるのには苦労しました。
「一度場所を決めても元の場所に戻されてなくて、『なんでここに置いちゃうんだろう』と悩むこともありましたね」
使う人にとって取り出しやすく、戻しやすい場所が理想の定位置。それを見つけ出すには、仮置きをして検証するというトライ&エラーを何度も繰り返します。収納グッズや置く場所も考え抜き、すべてのモノを収納すると、ものすごく暮らしやすくなりました。
「私、ミニマリストに憧れていたんです。でも、今のうちの状況では無理ですね。生活感があっても、例えば爪切りが必要なときに取り出しやすい場所にあるという今の過ごしやすい暮らし方が私たちに合っています」
家の中が片づいてきれいになると、ゆうかさんは月に1回のペースでホームパーティーをするようになりました。家に人を呼ぶというのは家の状態を見直すきっかけにもなるので、見事に実践してきれいな家をキープしています。「今まで仕事の方に比重を置いていましたが、これからは家のことを充実させたいですね。夫だけでなく、私も家事と仕事を両立させたいし、子どもたちと楽しく過ごせる空間を保っていきたいと思います」
ゆうかさんは、仕事という外の世界に目を向けていたので、気づいたら家の中のことがわからなくなっていました。でも家が片づいた今、自分の落ち着く居場所があって、自分に向き合うことができる。そこから仕事に行けるので、理想的な基地のようだと笑顔を見せてくれました。
以前見ていた「週末になったら片づく」という夢は、自分の手で叶えました。次の夢も、大きくふくらみます。