モニター画面から発せられるブルーライトに要注意

幸せホルモン セロトニン

「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、脳の興奮を抑え、心身をリラックスさせます。セロトニンの分泌量が脳内で増えると幸福感が高まり、集中力、記憶力も向上します。反対に、分泌量が減ると憂うつ感や不安感が強くなります。

セロトニンは、「トリプトファン」という必須アミノ酸が、直接の材料になります。

トリプトファンからセロトニンが合成されていくには、

「葉酸・ナイアシン・ビタミンB6・鉄」

が使われます。

ちなみに、セロトニンの分泌には、朝日を浴びることも重要です。朝食後には屋外に出て、日差しを浴びることから1日をスタートさせると、セロトニンの分泌量をさらに増やすことができます。

睡眠ホルモン メラトニン

メラトニンは、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。日中に学習した情報は、睡眠中に整理されます。学んだことを脳に定着させるには、睡眠の質を上げることが大事。その働きをしているのが、メラトニンです。

このメラトニンの材料となるのがセロトニンです。朝日を浴びるとセロトニンがスムーズに分泌され、太陽が沈むとセロトニンをもとにメラトニンがつくり出されます。メラトニンを増やすには、セロトニンの分泌量を増やすことが大切です。

メラトニンが、セロトニンを材料に合成されるために必要なのは、

「マグネシウム」

です。マグネシウムがあってこそ、メラトニンの分泌量を増やせます。

なお、メラトニンは繊細な脳内ホルモンであり、神経を興奮させるようなことがあると分泌が抑えられてしまいます。とくに問題になるのが、強い光です。

現代人は、スマートフォンやパソコンの画面を夜間も見続けます。受験勉強で使うことも多いでしょう。けれども、モニター画面から発せられるブルーライトは、メラトニンの合成を抑えてしまうので要注意です。現代人に不眠症が多い一因に、このブルーライトの害があると考えられています。

なお、部屋の照明も、青っぽい光には覚醒作用があるとされます。安らかな眠りのためには、夜間の部屋の明かりは、オレンジ色の電球色が望ましいでしょう。

メンタルを安定させて、勉強に集中できる脳内ホルモン

やる気のホルモン ドーパミン

「やる気ホルモン」と呼ばれているドーパミンは、意欲やワクワク感を生み出す脳内ホルモンで、この分泌量が増えると思考力も高まります。

ドーパミンは「フェニルアラニン」という必須アミノ酸が直接の材料です。フェニルアラニンから「チロシン」というアミノ酸ができ、最終的にドーパミンになります。

たんぱく質からドーパミンが合成されていく過程では、セロトニンと同じく、

「葉酸・ナイアシン・ビタミンB6・鉄」

が使われます。やる気や思考力を高めるには、フェニルアラニンやチロシンを含むたんぱく質と、これらのビタミン、ミネラルを積極的にとっていくことが重要です。

リラックスホルモン GABA(ギャバ)

メンタルを穏やかにしてくれるGABAは、「リラックスホルモン」とも呼ばれます。イライラ感を抑えて、穏やかな精神状態をつくってくれるホルモンです。

勉強に集中するには、メンタルの安定が大事。イライラしていたり、不安感が強くなっていたりすると、そのことで頭がいっぱいになり、集中できません。

マリー秋沢『受験メシ! 子どもの「成績を上げる」簡単で確実な方法』(三笠書房)

そこで大事になるのが「グルタミン」というアミノ酸の摂取です。グルタミンから「グルタミン酸」というアミノ酸ができ、最終的にGABAになります。

たんぱく質からGABAが合成されていく過程では、

「ナイアシン、ビタミンB6

という2つのビタミンが使われます。

「最近、ちょっと怒りっぽくなっているな」「不安感が強そうだな」と感じるときには、グルタミンやグルタミン酸、ナイアシン、ビタミンB6が豊富なものを食べさせてあげましょう。

では、どんなものを食べると、以上の4つの脳内ホルモンを分泌していけるでしょうか? それについては、本書(『受験メシ!』)で具体的に紹介しています。

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