Fラン大学は「存在意義なし」

多額の奨学金を背負っているFラン大生も少なくないはずだ。哀れだ。たいした就職先にはありつけない。となると、低賃金労働&奨学金返済の二重苦が待っている。

Fラン大学に悪いところはあっても、良いところはない。そこに存在意義を見出すのは不可能だ。

しかしこのFラン大学、これまで増加の一途をたどってきた。18歳人口のピークは1992年。この年の私立大学数は384校だった。そして1992年を境に18歳人口は一気に減少していくのだが、私立大学はそれと逆行して増え続けた。2023年時点で実に622校にのぼる※注

注:文部科学省「学校基本調査 令和5年度」、文部科学省「中央教育審議会総会(第137回)会議資料」(2023年9月25日)

学生数と大学数の完全なミスマッチのなかで、とうぜんブランド力のない大学の立場は厳しくなる。となると入試のハードルを下げて定員確保に走るしかない。かくしてFラン大学が量産されてきたのだ。

しかし、そうしたなりふり構わぬ大学の戦法も限界に達しつつある。現在、私立大学を運営する567法人のうち101法人が経営難に陥っており、再編や統合が避けられない情勢にある(2024年5月20日付日本経済新聞「私立大101法人『経営困難』 全国18%、再編・統合加速も」)。

「大卒」の肩書きを欲した若者を食い物にしている

本来であれば、文部科学省が手綱をしっかり握るべきところだった。大学数を管理して、教育水準を維持する責任が文科省にはあったはずだ。でもそのまま放置してきたのである。なぜだろう。

堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)

大学・学部・学科の新設。各大学の定員数の設定。補助金の配分。文科省はそうした大学運営に関わる重要な認可権限を持っている。文科省官僚たちは私立大学に対してさまざまな便宜を図りながら、その見返りを得ていたのではないだろうか。

実際、2017年に発覚した「文部科学省天下り問題」では、多くの文科省官僚が利害関係のある大学に天下りしている実態が明るみに出た(2017年3月31日付日本経済新聞「文科省天下りで37人処分 最終報告、違法事案62件に」)。

彼らにとって私立大学とは既得権益なのだ。Fラン大学が量産された最大の理由はそこにある。

文科省とFラン大学の罪は深い。「大卒」という肩書きにつられた学生を食い物にしているのだ。

大学自体の存在意義が揺らいでいるいま、ましてFラン大学に立つ瀬はない。統廃合をすみやかに進め、「Fラン大学」という言葉が過去のものになることを願っている。Fラン大学に行ってはいけない。

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