中小型株から探さなくとも大型株で結果は残せる

このように、中小型株から探さなくとも大型株(※2)で結果は残せるのです。もしくは、中型株(※2)でも大型株に近いものから探しましょう。

桶井道『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)

増配によって配当金が増えていく、株価上昇によって含み益が増えていく。しつこくて恐縮ですが、増配株は「2度おいしい」のです。

一方、小型株は、リスクが大きいです。たとえば、工場一つが火災になっただけで、業績へのダメージが大きく、株価が半分になることすらあります。

また、大型株と比べると小型株は、株式を売買する人が少ないです。株式は買ってくれる人がいて初めて売り取引が成立します。

つまり、小型株の場合、いざという時に株式を買ってくれる人が少ないのです。

買ってくれる人が少ないということは、売りづらいということです。その結果、株価が大きく下がることが少なくないので、株価の変動が大型株に比べて大きいです。

新たに市場に株式を上場するIPO(Initial Public Offering)投資は、簡単に儲かることもありますが、その後すぐに損失を出すこともありますのでお勧めしません。上場してから期間が浅い銘柄も、株価が安定しないことがあるので避けましょう。

株主優待を目当てに銘柄を選ぶリスク

日本株のいいところは、ほかにもあります。

たとえば、株主優待は日本独自の制度です。これは賛否両論ありますが、クオカードやカタログギフト、自社製品の詰め合わせなどを楽しみにされている投資家も一定数おられます。

ただし私は、株主優待目的の投資に反対する立場を取っています。

理由は、次の3つです。

①優待廃止で株価暴落のリスクがあります。優待目当てだった株主が一斉に売るからです。
②株主優待で儲けたつもりが、株価が下落していたら投資は本末転倒です。
③株主優待は減る傾向にあります。

近年、以下の企業が廃止しています。

・JT(2914 2022年12月期で廃止)
・みずほリース(8425 2023年3月期で廃止)
・オリックス(8591 2024年3月期で廃止)

株主優待はあくまでも、おまけに過ぎません。銘柄分析をおこなって、投資するに値するとの評価を下した銘柄に、株主優待があればラッキーくらいの気持ちでいることが望ましいと思います。

(※1)PBR
“Price Book-value Ratio”のことです。株価が1株あたり純資産(BPS:Book-value Per Share)の何倍まで買われているかを示します。現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する指標で、数値が低いほうが割安と判断されます。PBRが1倍を切る水準はその企業の本来の価値よりも安い値段で株を買えることを意味します。

(※2)大型株、中型株、小型株
日本株の場合、時価総額と流動性を基準とした区分のことです。TOPIX(東証株価指数)を構成する銘柄で、時価総額と流動性が高い上位100銘柄(TOPIX100の算出対象)を「大型株」、次いで時価総額と流動性が高い上位400銘柄(TOPIX Mid400の算出対象)を「中型株」、大型株・中型株に含まれない全銘柄(TOPIX Smallの算出対象)を「小型株」と定義しています。

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