ヒラタさんは相談所からの提案をどう受け止めたのか

いくつかの結婚相談所のカウンセラーらに話を聞いたが、いわゆるキモヲタ、勘違い野郎でも、まずは見た目からプロデュース。そうすると、次第に本人の意識も変わってくる。そして見合いを続けること3年――、ここまでできれば良縁に恵まれる可能性は高いという。

良縁に恵まれたとき、相談所にやって来た当時のキモヲタだの勘違い野郎ぶりは鳴りを潜め、好印象の壮年や青年へと変わっていた、という話である。人格をごっそり入れ替えるといったところか。

それにしても「今までの自分をすべて捨てなさい」と言っているに等しい結婚相談所からの提案をどう思うのか。ヒラタさんにその胸の内を聞いた。

「とにかく結婚したい。同年代は、皆、何らかの形で社会に爪痕を残している。でも私は何も残していない。婚活は、これまでの人生で大学受験以来、自分で動いたことです。結婚できるならなんだってやります。学生時代の友人たちが羨ましがるような若くて美人の女性と結婚することでみずからの人生に金字塔を打ち立てたい」

変えるべきはファッションでも趣味でもなく、みずからの意識である――これにヒラタさんが気づいて納得したときにはじめて良縁に恵まれるといったところか。

そもそも結婚とは目的ではなく結果である。こうしたことを他人に教えてもらわなければならない大人がいるという事実に空恐ろしくなる。

関連記事
「都落ちした、と思われたくない」と考えていたが…港区女子が千葉県在住の男性と結婚した意外な結果
「人柄、条件ともに申し分ないのに好きになれない…」35歳女性が5回目のデートで交際を断った背景
「結婚している人のほうが幸福度は高い」約90万人のビッグデータ分析でわかった"日本の幸福度の実態"
「最悪の就職氷河期」以上にカネも夢も希望もない…政府の大失策が招いた「若者が結婚しない問題」の本質
仕事もない、話し相手もいない、やる事もない…これから日本で大量発生する「独り身高齢男性」という大問題