苦手な人にこそ“ホウレンソウ”を欠かさない

「あとでまとめて報告します」
 ↓
「まだ半分ですが、こんな感じで進めてもいいですか?」

だれだって苦手な人とは話したくない、心地いい人と話したいと思うものです。

しかし、それがあからさまに出て「好きな人にだけいい顔をする」「人によって態度が違う」などと思われたら損。苦手な人とコミュニケーションがうまくとれないことで、誤解されたり、トラブルになったりすることもあるでしょう。

絶対にやっていけないのは、避けたいばかりに、あいさつもしない、業務連絡もしないこと。相手も無視されたようで嫌な気持ちになり、「頼んだ仕事、どうなっているんだ」とイライラすることも増えるはずです。

人によって話し方が違うことはあっても、大切なのは、だれにでも“丁寧”に接することです。

とくに苦手な人にこそ、“ホウレンソウ(報告・連絡・相談)”は欠かさないこと。それだけでマメに会話ができて、トラブルは防げます。

相手の気持ちを察して「いまのところ順調です」「これで大丈夫ですか」「結果をご報告します」などと話していれば、安心感のある人として見られ、仕事がやりやすくなります。やりたい仕事を任されたり、会議で味方になってもらえるかもしれません。

苦手な人とは仲良くしなくても、嫌われないことが大事。

話すうちに苦手意識がなくなったり、理解できたりすることもあるので、ぜひ会話を避けないでください。

相手の表情の変化をキャッチして、話し方を変えていく

(相手の表情を見て)
「話についてきてます?」
 ↓
「いまの、わかりにくかったですね。たとえば(具体的に言うと)……」

優れた講演者は、参加者の表情を見ながら話し方を変えています。

聞き手のなかに目があちこちを泳いでいたり、体が揺れたり、あくびをしたりと退屈そうな人が出てくると、内容を変えたり、雑談や冗談を交えたり、だれかに質問したりします。

1対1の会話も同じ。「相手は関心がある?」「理解している?」と相手の表情を確認しながら、話し方を柔軟に変える必要があるのです。

有川真由美『話し方を変えれば運はよくなる』(三笠書房)

「相手の表情」というのは、顔の表情やうなずき、姿勢などで感じることができますが、いちばんわかりやすいのは「目」。

「目は口ほどにものを言う」というように「輝いた目→好き・興味がある」「力のない目→つまらない」「おどおどした目→緊張している」「にらんだ目→嫌い・怒っている」など気持ちを代弁しています。

きょとんとした目をしているときは、「理解不能」というメッセージ。相手の表情を無視してだらだら話し続けていたり、「ちゃんと聞いてよ」と相手を自分に合わせようとしたりしては、会話の溝はさらに深まっていくでしょう。

相手の表情を読みとって「わかりにくかった?」と表現を換えたり、たとえ話や具体的な例をあげたりして“伝わる”話し方をしてくれる人は、話していて心地いいもの。それは、相手に寄り添おうとする思いやりがあるからです。

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