「忍耐力と意志の強さを息子に見せたい」
剣道を続ける理由・魅力 第1位:自己鍛錬・成長のため
剣道を続ける理由として最も多かったのが「自己鍛錬・成長のため」だった。10代や20代など、若い世代からもこの回答は多く寄せられた。
自分の魂にとって重要だと感じます。精神面を深めることができる。(イタリア、20代、二段)
剣道が私を身体的にも精神的にも強化し、挑戦させてくれる点が好きです。友人たちと一緒に稽古をすることも本当に楽しんでいます。(オーストリア、10代)
私はいくつになっても、剣道の稽古をやめることはないと思います。これが私が剣道を愛する理由です。どれだけ達成しても、常に学ぶことがあります。剣道を通じて世界を広く見ることができ、多くの友人を作り、さまざまな先生から学ぶことができました。(フィリピン、40代、三段)
剣道は絶え間ない挑戦。私にとってかけがえのないものです。剣道を通して息子に忍耐力と意志の強さを見本として見せたいと思います。(オランダ、30代、四段)
身体的にも精神的にも成長するためです。剣道での学びを私生活に簡単に活かすことができます。例えば、ストレスや困難な状況でも冷静で落ち着いた心を保つことが挙げられます。(アイルランド、40代、初段)
日本人が海外の剣道から学べること
オランダ人からの回答で「剣道を通して息子に忍耐力と意志の強さを見本として見せたいと思います」とあったのが印象的だった。オランダ人は、どちらかというと自由な発想や子どもの意志の尊重に比重を置いているように感じる。誰かに強制された「我慢」ではなく、自分自身のために「耐え忍ぶこと」「精神面を鍛えること」は、他国から見ても価値があるものなのではないだろうか。
毎年2月に、フランスで大きな剣道大会がある。フランスの周辺国だけではなく、日本の大学生も参加する。その大会に参加した学生が「卒業したらもう剣道をやめようと思ったが、海外剣士の純粋な心や剣道を楽しむ姿を見て、もう一度剣道に向き合ってみようと思った」と語った。その学生はずっと強豪校で剣道を続けてきた選手だった。
今回のアンケートの回答結果を読むと、剣道への愛情やコミュニティへの強い帰属意識、そして自己鍛錬や自己向上への真摯な姿勢が見てとれた。なぜ武道を学ぶのか?なぜ、剣道をするのか? その問いに、海外剣士たちは真剣に向き合っているように感じる。
日本を飛び出して、世界に広まりつつあるKENDO。競技的な面白さだけではなく、日本文化としての魅力も大きく、世界の人々に受け入れられている。いま一度、日本人もその魅力について認識し、向き合っていく時ではないだろうか。