国境を越え、実力者の話を聞きに行く

前の練習よりも上手くなろうと心がけることはどのスポーツにも共通しているが、より精神面にフォーカスしているのが剣道の特徴かもしれない。あるフランス人女性は「好きな言葉は『昨日の我に、今日は勝つべし(「柳生新陰流」の教え)』。私が通う道場に掲げられています」と語った。

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アメリカ女子代表選手たち。本大会では団体戦第3位を獲得。準決勝で韓国に、代表戦で惜しくも敗れた。
剣道を続ける理由・魅力 第2位:国境を越えた友達、コミュニティ

日本にはない、海外剣道独自の特徴として「国際交流」が挙げられる。試合回数も、高段者から学ぶ機会も、海外は日本と比較して格段に少ない。そのため、大陸間の移動が盛んだ。

どこかの国で日本の八段の先生のセミナーが開催される場合は、周辺国から剣士たちが集まる。また、各国主催の試合にも海外剣士たちは熱心に参加する。出稽古も盛んだ。

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南米大陸から参加したエクアドルとウルグアイ

剣道を16年前に始めてから、私の人生は完全に変わりました。シンガポールや海外でたくさんの友人を作ることができました。(シンガポール、30代、五段)

剣道のない人生は考えられない。友達のほとんどは、剣道を通じて知り合った。時間があるときは稽古しているし、バケーションにも防具を持って剣道イベントに参加している。(アイルランド、30代、二段)

「世界のどこでもいつでも温かく迎えてもらえる」

剣道のコミュニティが大好きです。世界のどこにいても、いつでも温かく迎えてもらえる。素晴らしいです。(オーストリア、20代)

自分の殻を破り、新しい友人を作り、世界中を旅し、上達していける点。(リトアニア、10代)

高校時代、日本に留学した時に部活で剣道を始めました。仲間と剣道するのが楽しいから続けています。(ドイツ、20代、初段)

筆者は5年ほどオランダに在住し、ヨーロッパ剣道に関わってきたが、ヨーロッパ最大の試合「欧州剣道選手権大会」には約40カ国が参加。そのほとんどが英語を話し、試合が終わると、お互い挨拶し握手やハグを交わす。

あるベルギー剣士の話によると、数十年前まではこんなに英語を話し交流する光景はなかったそうだ。ソーシャルメディアの発達などにより、人々がつながり、交流が深まっていったという。