テレビ局が日本のメディアをダメにしている
結局、日本メディア界の諸悪の根源は地上波テレビ局なんです。それはテレビ局が持つ権力、「テレビに出られるか出られないか」みたいなものを駆使して食べている人たちがこれまで大勢いたから。
ただ、ここへきて、少しずつ変わってはきています。
これまでジャニーズ(現SMILE-UP.スマイルアップ)や吉本興業をはじめとする大手の芸能事務所って、テレビに出してやるという力でタレントを集めていた。
「テレビに出してやるからうちの事務所に入れ」と言っていたわけです。テレビ局がメディア界に君臨していたから、そこの番組に人を登場させる力が利権のようになっていた。
でも、変わってきました。近頃、芸能事務所のまあまあの大手がつぶれたり、閉業したりしてます。なぜつぶれたかというと、要は芸能事務所が持っていた「テレビに出してやる」という強みが通用しなくなったから。かつては「テレビに出られる」と、タレントの卵は芸能事務所に入った。でも、テレビに出ることに価値がなくなったとたんに、それがまったく意味がないことにみんなが気づいた。
「芸能事務所なんかに入らなくても自分で稼げばいいじゃん、SNSもあるし」って。新世代の人たちはそう思っている。
テレビ局は「自然死に向かっている」
新世代の人たちはそもそもテレビを見ないから、テレビに対するあこがれはない。今の20代はまだテレビ見ますけど、10代はすでにテレビを見ていないから、テレビが何なのかもよくわかってない。
「リアタイ(リアルタイム)でしか見られないっておかしくない?」っていう感じなんですよ。
テレビに出すための仕事しかしない芸能事務所はつぶれていくしかない。一方で、テレビ以外のメディアやSNSをうまく使いこなしている事務所、企画会社は伸びている。
例えば有名なところだとアソビシステム(ブームを作ることよりも、カルチャーを創るを標榜する企画会社)です。アソビシステムは、きゃりーぱみゅぱみゅを売り出した。最近だと、新しい学校のリーダーズ、FRUITS ZIPPERがいます。
――つまり、諸悪の根源、地上波テレビ局は自然死に向かう、ですか?
向かっている、です。