「ラジオは可能性しかない」の真意

――CROSS FMでもやらないんですか?

僕関連だとCROSS FMに番組を持っているし、また、フェスでは「ホリエキスポ」っていうのをやっているんです(HORIEXPO~グルメとビジネスの祭典。2024年3月に栃木で開催)。近いうち、番組発のフェスも始まりますよ。

インターネットがなかったらラジオはこんなふうには発達してない。僕は今、「ラジオは可能性しかない」って言ってます。可能性にはこうしたメディアミックスも入ります。オードリーもジェーン・スーさんも僕も、ラジオとSNSを上手に使うことで、地域限定だったラジオメディアを全国版にしました。

ラジオの世界には昔からその地方では人気を持っている人がいました。それがSNSをからませたことで、全国でイベント開催ができるようになったわけです。

――ラジオとSNSをうまく使いこなしている人の人気が高まっていると?

まあ、そうですね。本の世界でもSNSの影響は大きいんじゃないですか。うまく使っている人の本は売れる。僕の本も売れます。

撮影=プレジデントオンライン編集部
実業家の堀江貴文さん。地元・福岡県のラジオ局「CROSS FM」を買い取って何を始めるのか

なぜ破綻寸前のラジオ局を買収したのか

――CROSS FMを堀江さんが買収したのはどうしてでしょうか?

CROSS FMは最初、北九州の経済界が共同出資して作ったんですけど、ありがちなパターンですぐにダメになっちゃって、一度はファンドが買収して経営を立て直した。ファンドは売り先を探していて、たまたまそこに化粧品・健康食品のDHCが手をあげた。かつては田母神俊雄さんの番組とかやってたんですよ。

CROSS FMはDHCが支えていたのですが、オリックスがDHCを買収してしまう(2023年)。すると、CROSS FMを支えられなくなる。そこで、DHCはファンドに「負債や借金を全部帳消しにするから経営を引き継ぐ先を探してくれ」と。ファンドは「堀江さんなら九州出身だし、買うかも」と僕のところに話を持ってきた。

それで、僕はDHCのオーナーから局を買いました。

――堀江さんが買わなかったらCROSS FMはどうなっていたのでしょうか?

経営破綻ですよ。

――ですよね。

同時期、北海道のFM NORTH WAVEも売りに出ていました。でも、それを知ったのはすでに買収された後だった。

――FM NORTH WAVEのほうが魅力的だった?

いえ、FM NORTH WAVEも一緒に買収できればふたつともに再生できると思いました。番組も共通化できるし、ちょうどいいと思ったのだけれど、でも、気づいたのが遅かった。

ただ買収した人は苦労しているかもしれない。北海道って広いし、雪が降るから放送設備のメンテナンスにお金がかかる。それでも、ラジオはやり方次第です。オールドメディアじゃないです。これからのメディアですよ。