ではそうした少子化のなかで、経済はどうなるのでしょうか。GDPのランキングから考えてみます。日本は今年に入ってドイツに抜かれ、世界4位となりました。さらに50年にはインドやインドネシアにも抜かれて6位に、75年にはナイジェリアやパキスタンより下の12位まで落ちると予測されています。

そのとき日本はまだ、経済大国の一員ではあるでしょうが、ほかの国が力を付けて経済の規模が大きくなってくればくるほど、相対的に“経済普通”の国になっていく。となれば日本株だけを買うというのは、すごくリスクの高いことに思えてくるのです。

すでにこの傾向は見えています。日本は長い間物の値段が高い国として知られてきましたが、そのイメージも少しずつ変わってきています。例えば、これまで新興国と言われてきた国々が成長した結果、中間層が拡大、日本に旅行するアジアの富裕層も増えています。そして数万円もする海鮮丼を立ち食いでかき込んでいます。

海外株を買うことで分散投資を進める

これは一時的なドル高円安という為替の話とは言えません。日本はバブル崩壊から約30年かけて今年ようやく株価を元に戻しましたが、ほかの国の株価指数はこの30年間もずっと上がり続けてきました。90年代の高値を超えるのにこんなに時間がかかったのは、世界でも日本株だけなのです。こういったことが、私が海外株に投資をしたほうがいいと思う、一番大きな理由です。

ほかにも海外株に投資するにあたってのメリットは数多くあります。まず投資の基本である分散投資ができるということ。私たちは日本で暮らしているわけですから、万が一日本経済に何かあれば、株を失い、収入を失い、一度にすべてを失ってしまう可能性があります。投資の有名な格言に、「卵はひとつのカゴに盛るな」というのがありますが、資産を1カ所に置いてしまったために、すべてを失ってしまうという事態を避けるためにも、分散させて投資することは重要なのです。