歳をとってもスタスタ歩きたいなら「肉を食べよう」

一番食べて欲しいものは、ずばり肉です。日本人は肉が少ない。私はあらゆる機会をとらえて「肉を食べよう」といい続けています。

肉を食べて、タンパク質を十分に摂ることで、筋肉量が増え、歳をとってもスタスタ歩ける足腰をキープすることができます。

肉にはセロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれているので、食べておけば、意欲の低下やうつ病の予防にもなるのです。肉は、必須といっていいでしょう。

老年医学の専門家である柴田博先生は、国内外の長寿者を対象に長期にわたる調査を行い、長寿の人に共通する健康習慣を分析しました。

豊富な臨床経験と、綿密な調査に基づいた柴田先生の意見や指摘は、説得力があるので、私は大いに参考にしています。

柴田先生の指摘によっても、日本の長寿者の特徴は動物性タンパク質(肉)の摂取割合が高いということです。

肉に含まれる動物性タンパク質を摂ることで血液中に増えるアルブミンという物質は、脳卒中、心筋梗塞、感染症の予防に効果があります。

柴田先生の調査によると、血液中のアルブミンの低い人ほど早期に死亡しているとのことです。肉の摂取量が高くなるほど、病気のリスクが低くなると柴田先生は指摘しています。

60歳からは体重1キログラムあたり1.2グラム程度のタンパク質を

嫌悪されがちなコレステロールも、低下すれば意欲がなくなり、ボケたような症状が出ます。歳をとったら日々の食事で肉を積極的に食べ、コレステロールを摂る必要があるのです。

なお、1日に摂る肉は120~150グラム程度が適量です。

とはいえ、毎日、肉をこれだけの量食べるのはしんどいという人もいるでしょう。

その場合は、魚はもちろん、豆腐、納豆などの大豆製品を積極的に摂りましょう。

特にサバやイワシなどの青魚は、血栓をできにくくして、心筋梗塞や脳梗塞を予防するEPAやDHAといった必須脂肪酸が多く含まれているので病気予防になります。

大豆製品は、良質なタンパク質が含まれているだけでなく、ミネラルや食物繊維も豊富なので、体にとって、非常にお得です。

写真=iStock.com/zepp1969
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1日に必要なタンパク質は、体重1キログラムに対して1グラムです。体重60キログラムなら60グラムのタンパク質が必要になってきます。

ただし、タンパク質から筋肉をつくる効率は歳をとるにつれて落ちてしまうので、私たち世代は、体重1キログラムあたり1.2グラム程度のタンパク質を摂取するのが理想です。