「数学は嫌い」のままではもったいない

でもなあ、と思われた方も多いと思います。もう一歩進んだ方の反論を聞くと、だいたい以下のようになります。

「でもですね。この世の商売の7割は数学を嫌がる人に対して数学を提供するものなんだったら、金さえ出せばどうにかなるんじゃないですか」

あるいは、

「でもですね。この世の商売の7割は数学を嫌がる人に対して数学を提供するものであるなら、それだけ数学が面倒くさいものだってことになるわけでしょ? 面倒くさいのは嫌いなんですけど」

このような反論が必ず出ます。品のよい方だと心に思うだけで、その後数学教室とかにいらっしゃらなくなります。

それで、この反論の反論になるのが本書のテーマである関数電卓だったりします。

芝村裕吏『関数電卓がすごい』(ハヤカワ新書)

「金さえ出せばどうにかなるんでしょう?」「その通り。でも節約できそうなら節約するのが賢い生き方だと思いますよ」

または、

「面倒くさいのは嫌いなんですけど」「はい、ところがこの道具(関数電卓)を使うと簡単に計算できます」

というわけです。

なにがなんでも絶対嫌い、あるいはやらないというよりは、簡単な概念だけでも理解して、あとは必要に応じて計算する。面倒くささをわかったうえで外注する。そういう生活のほうがいいと思います。

関連記事
退職金6000万円に飛びついた53歳大手元課長の悲劇…「割増がいくらなら早期退職に応募していいか」の分岐点
「年収1200万円超は金持ち」という前提がおかしい…ひろゆき「日本では頑張る人ほど税金を搾り取られる」
銀行預金は「実質的にお金を減らす行為」である…「投資が怖い」と思う人に知ってほしいインフレの恐ろしさ
相続税を払った5人に1人が税務調査を受けている…税理士に依頼しても追徴課税が発生してしまうワケ
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた【2023上半期BEST5】