いつから専業主婦世帯の子どもが共働き世帯より少なくなったのか

では、いつからこのような傾向が見られるようになったのでしょうか。ある時点から専業主婦世帯と共働き世帯の関係が変わったのでしょうか。もしそうであるならば、それはいつの時点からなのでしょうか。これらの点を明らかにするために、過去にさかのぼってデータを見てみると、大変興味深い結果がわかってきました。

今回は2000年から2020年までの国勢調査のデータを使って、専業主婦世帯と共働き世帯の子どもの数の変化について紹介していきたいと思います。

専業主婦世帯の「子どもなし割合」の推移

図表1は共働き世帯と専業主婦世帯の子どもがいない割合の推移を示しています(*2)

図表=筆者作成

この図からわかることは、次の2点です。

まず1つ目は、共働き世帯と専業主婦世帯の両方において、子どもがいない割合が徐々に増えています。2000年では共働き世帯の28.0%に子どもがいなかったのですが、2020年には33.6%にまで上昇しています。また、2000年の子どものいない専業主婦世帯の割合は26.5%でしたが、2020年には38.8%となっていました。

2つ目は、時間の経過とともに、専業主婦世帯と共働き世帯の関係が逆転したという点です。

2000年から2010年までは、専業主婦世帯の子どもがいない割合のほうが共働き世帯よりも低くなっていました。しかし、2015年以降になるとこの関係は逆転し、専業主婦世帯の子どもがいない割合のほうが共働き世帯よりも高くなっています。

専業主婦世帯と共働き世帯の両方で子どものいない割合が持続的に伸びているのですが、専業主婦世帯のほうがその伸びが強くなったわけです。この動きは意外だといえるでしょう。