人は、人から評価されて初めて有能な人材となる。そのために重要なのが、気配りに代表される対人能力。この力は訓練によって身につけることができる。ぜひ、自分の「気配り力」を診断し、「練習問題」で対人能力を高めてほしい。

「気配りで成功した人」といえば、何といっても木下藤吉郎、後の豊臣秀吉である。信長の草履取りの時代、着物の懐で主君の草履を温めたことが立身出世の契機になったという逸話ゆえだ。

逸話の真偽は定かではないが、これだけ広く流布したのは、そこに処世の貴重な教訓が含まれていたためである。簡単に言えば、人が成功するには人に引き立てられる(=特別な関係になる)のがもっとも手っ取り早く、そのためには徹底した「気配り」が大事であるということだ。

もちろん戦国の世も現在も、本来の仕事において有能であることは当然重要である(つまり単なる「世渡り上手」ではダメということ)。しかし「気配り」に代表される対人能力は、やはり非常に重要である。他人に存在を認められ、適切な評価をされる関係が構築されて、人の有能性は初めて意味を持つ。そうした「特別な関係」をつくり出す、あるいは持続していくために、対人能力は不可欠なのである。