仕事の値段は需給バランスで決まる

まず、技術の高さや熟練度が挙げられます。しかし、それだけではありません。ある特定の領域に大きなニーズがあり、そこにものすごく強くて、他に代わりになる人がいない。そんな人なら時給は高くなります。つまり、技術の高さや熟練度だけが時給を決めるわけではない。

これこそ「場所」であり、「陣地」であり、「ポジショニング」なのです。

仕事の値段は何によって決定されるのかと言えば、とてもシンプルです。需要と供給のバランスです。需要が大きくて供給が少なければ当然、価値は高まります。

そう考えると、目指すべきところが見えてきます。

需要の増える分野で、供給が少ないところを狙うこと。逆に、誰もができること、みんなと同じ方向に行くほど担い手はたくさんいますから、価値を失います。

どの方向に進むべきかを考える時に意識すべきなのが「希少性」です。

自らをレアカード化するにはどうすればいいのか、を考えるのです。自動運転に任せるのではなく、戦略的に自分の人生を舵取りすることを意識しましょう。

45歳以上は「賞味期限切れ」のリスク

「いやいや、希少性を持たなくたって、会社員として長く勤めていればなんとかなるだろう」。そう思っているなら、大きな落とし穴があることを認識してください。

それは、45歳以上になると「賞味期限切れ」のリスクが高まってくることです。

藤原和博『どう生きる?――人生戦略としての「場所取り」の教科書』(祥伝社新書)

会社員は偉くなればなるほど、人事権と予算権を付与され権力が増すように見えますが、その権力を保証しているのはあなたの人間力ではなく、会社の信用力です。

そして、年齢が上がれば上がるほど、昇進すればするほど、上司から切られるリスクが高まる。切られなくても、ソリが合わない上司と向き合うことに耐えられなくなります。

会社員にとって、最大のリスクは上司なのです。

これは、部長になっても、局長になっても、取締役になっても同じ。上司にはその権限があるからです。

だから、早くからレアカード仕事人を意識したほうがいい。そうすれば、社外でのマーケットバリューが高まり、社内で人事部と取引ができるようになるからです。

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