朝食にはなぜ、甘いものを摂ったほうがいいのか

目覚めたばかりの脳は酸素不足で、そのうえに栄養不足です。つまり、お腹がすいているのです。

脳は体重の2~2.5%ほどの重さしかないのに、とても食いしん坊で、一日の消費カロリーは約400キロカロリー。これは、体全体の消費のなんと約20%に当たります。

現代人は、朝は時間がないからとか、ダイエットを理由にして朝食をとらない人が多いようですが、腹ペコの脳にエネルギーを補給しなければ、活発に働くことができず、思考能力はストップ、集中力もなくボーッとしたままです。

脳の研究によると、脳が元気いっぱいに働き出すのは、食事をとって約2時間たってからとすでに証明済みです。とくに大事な用事がある日などは、その開始時間から逆算して2時間くらい前までには食事をとっておくといいでしょう。

脳のエネルギー源はグリコーゲン、つまりブドウ糖だけです。朝食には甘いもの、または炭水化物、果物などを意識的に取り入れるといいでしょう。

甘いものは体内に入るとすぐにブドウ糖に変わり、そのままグリコーゲンに変化します。炭水化物も分解されるとブドウ糖になるし、果物に含まれる果糖もグリコーゲンに変わりやすいものです。

脳のためにも美容のためにも、朝食は欠かせない

良質のタンパク質も、ストレスを忘れさせてくれる深い鎮静作用があります。つまり、朝食には糖分と良質のタンパク質を組み合わせて摂取するのがベストなのです。

保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』(明日香出版社)

きちんとした朝食がどうしてもとれないのなら、バナナ、卵、牛乳、蜂蜜などをミキサーにかけたジュースを飲むといいでしょう。朝食を食べないのとは雲泥の差、脳の働きはまったく違ってきます。

さらに、朝食をとれば便秘の予防にもなります。

便秘は美容上だけなく、じつは脳の働きにも悪い影響を与えるのです。便秘をすると、体内で過酸化脂質がつくられ、これが脳をはじめ体の機能を弱らせるからです。食物が体内に入ると、腸の蠕動ぜんどう運動が促進されて便意を促しますが、この仕組みは朝食後に最も強く作用します。

脳のためにも美容のためにも、朝食は欠かせないというわけです。

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