精神疾患患者は400万人を超えている
精神疾患も急激に増えています。患者数は毎年約30万人ずつ増え、400万人を超えています。厚生労働省の統計では、うつ病・躁うつ病などの気分障害、神経症性障害・ストレス関連障害、精神作用物質使用による精神及び行動の障害、アルツハイマー病が増えています。
これらの疾患は、すべて1970年代以降に増加しています。人の気分や情動は腸内フローラが支配していることが明らかとなってきています。
簡単に言うと、脳に炎症が起こると気分が悪くなり、消極的になるのです。
脳に炎症を起こすのは、ストレスや病気です。ストレスがあると落ち込むことはわかると思いますが、インフルエンザや風邪で熱が出れば心は落ち込みます。熱が出た時に、気分が“るんるん”な人はいません。
脳の炎症を抑えるのが良好な腸内フローラです。腸内フローラを破壊する抗生物質が、精神疾患の原因になっています。
抗生物質は腸内フローラを悪くする最強の薬物
文部科学省は「通級による指導を受けている児童生徒数の推移」というデータを報告しています。通級とは、なんらかの障害のある子どもが普通の学級に在籍して、個別に特別支援教育を受けることです。
この統計から、注意欠陥多動性障害、学習障害、自閉症、情緒障害の子どもが急激に増えていることがわかります。これらは発達障害と呼ばれています。図4を見ると、平成5年にはこれらの障害のある子どもはほとんどいなかったことがわかります。多くの論文、書籍で、腸内フローラが幼児の脳の発達に大きく影響することが報告されています。
また、子どもに限らず、大人でも腸内フローラは“やる気”“気分”“感情”“行動性”“精神の安定性”を支配していることも認められつつあります。
それでは、人の脳の発達と情動に関係する疾患はなぜ増えたのでしょうか。
答えは簡単です。腸内フローラが悪くなったからです。そして、腸内フローラを悪くする最強の薬物が抗生物質なのです。脳の発達障害と情動障害は抗生物質の使用が始まった1950年代から増え、特に1970年代から急増しています。