すべてを書き終えてから修正するのが一流

一流は、「すべて書き終えてから修正作業をする」ことが多いです。

一流の作家さんは原稿を執筆する際、一度すべてのストーリーを書き上げた後、修正に入るそうです。この修正作業に時間がかかることも多いですが、全体の流れや構造、一貫性などを総合的にチェックするためには、このような方法は合理的かつ効率的です。一流のビジネスパーソンが長文を書くときは、大まかなアウトラインを作成した後、その骨格に沿って一気に書き上げます。

この段階では、細かい誤字脱字や表現の微妙な違いには、一切目を向けません。全体のストーリーがしっかりと組み立てられているか、主要なポイントが確実に伝えられているか、ということに集中します。次に、すべての章やセクションが完成した後で、初めて修正作業に入ります。この際、一流は一度全文を通して読み、全体の流れや一貫性をチェックします。また、その後で各セクションや段落、さらには一文一文に目を通し、細かい修正を施します。

このような一流の執筆スタイルには、明確なメリットがあります。それは、修正作業が一度に集中するため、その間に「気づき」が多く生まれる点です。小さな修正を何度も繰り返すのではなく、一度の修正で多くの問題を同時に解決できるのです。これなら、確実に時短につながります。修正作業を一度に行うことで、一貫性のある高品質な文章が短時間で完成します。

より短い時間で書き、より大きなインパクトを読者に残すには、書き終えてから一括チェックする一流の方法が適しているのです。

一流は、全体を書き終えてから一括チェックする
「書く」「確認する」「修正する」を分けて行う

一流はパワポ1枚に何文字使うのか

2017年から2023年まで815社に協力いただき、顧客向けの提案で使用されたパワポ資料の5万ファイル以上を調査しました。1ページあたりの文字数や使用されたカラー数、画像やアイコンの数、そしてその資料が成功につながったのかを調べ上げました。

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調査結果でまず驚いたのが文字の数。5万ファイルの1ページの平均文字数は385文字でした。詳細な情報を伝えたいのは分かりますが、冷静に考えて1ページに385文字もあると読む気が失せてしまいます。

各企業で管理職の方々、計806名を対象に調査したところ、78%の人が「一目で要点が分からないと詳細な情報を見ない」傾向であることが判明しました。ということは、1ページに385文字もあると「要は何か」を見出すことが難しいので、残りの情報を見てもらえず、相手の決定を促すことが難しくなります。相手に決定を促した資料、つまり提案に成功した資料について分析を進めると、文字数が少ない傾向にあることが分かりました。

調査の前年に営業目標を達成した人たちの資料を分析すると、平均よりも文字数が少なく、1ページにつき240文字ほどでした。提案相手のことを考えて、相手起点で情報提供する姿勢が、相手の行動に少なからずいい影響を与えることは分かりました。