東日本大震災による津波の遡上高の最大は43.3m

では、東日本大震災による津波の高さはどうだったのか。図表5には、種々の調査による基本的に痕跡高の津波の高さを整理した。

図表5を見ると、東北・関東太平洋岸6県の非常に長い海岸線に沿って大きな津波が襲ったことが分かる。

また、素人目には、3回のそれぞれの震源地に対応して津波の高さも3つのピークをもっているように見える。ただし、旭市飯岡地区の津波が銚子に比べ高かったのは「遠浅の海底地形が要因」という報告もある(2011年3月30日付読売新聞)。

なお、図には示していないが、東日本大震災の津波の遡上高の最大は、宮城県女川(笠貝島)の43.3mと報告されている(東大郡司凖教授調査)。能登半島地震では上越市船見公園の5.8mが遡上高の最大と報告されているので、東日本大震災の場合は能登半島地震の7.5倍と痕跡高と比較してもさらに高くなっている。

2つの地震は震源の位置など性格が異なるので、津波の高さで規模の違いを単純に推し量ることはできないが、それにしても東日本大震災の恐ろしさにあらためて目を見張らせられるデータといえよう。いずれにしろ明確なのは、われわれ日本人はこの2つの地震を含むここ100年間の大地震の数を再認識し、防災意識を絶対に忘れてはいけないということだ。

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