大切なのは「タイミングときちんと磨けているか」
何分みがけばよいのか? ということを、みなさん知りたがります。これは歯科医師によっても意見が違いますし、何分がベストとはいえません。
その上であえて時間となると、少なくとも、5分は必要です。大事なのは、時間ではなく、きちんとみがけているか。またタイミングが大事であると、日頃お伝えしています。
ただ時間をかけてダラダラみがいても、案外みがけてないことがあります。基本は集中して短時間でみがいたほうが効率がよいと思います。
また歯ブラシだけでなく、本書で後述する歯間ブラシやデンタルフロス(以下、フロス)、舌みがきの時間などを加えると10分はかかると思います。
ですから、「何分?」という質問に対しては、「歯ブラシだけで5分は必要」という答えになります。
食べかすは歯と歯の間や、歯と歯肉の間にたまりやすいので、急いでみがこうとすると、2~3本の歯を一緒にみがくことになってしまい、大事なところにみがき残しが出てくる可能性があります。
本当のことをいえば、時間ではなく、すべての歯と歯肉の間と、歯と歯の間(いずれも裏表)をみがくことが重要です。
みがく順番はない。すべての歯をみがければいい
食べかすが残りやすいのは、①歯の噛む面、②歯と歯の間、③歯と歯肉の間、の3つです。
②と③はプラークがこびりついて、歯周病菌が繁殖しやすいので、歯周病予防のためにしっかりみがく必要があります。
①はおもに奥歯のことで、ここに食べかすが残るとむし歯のリスクが上がるので、できれば歯みがきの最後に奥歯のかむ面もみがいたほうがよいでしょう。ただ歯周病予防のための優先順位としては②と③です。
みがく順番についてもよく聞かれます。みがく順番が書かれている本もありますが、別に順番はありません。
奥歯からみがいてもよいし、前歯からみがいても同じです。裏からみがいてもよいし、表からみがいてもかまいません。大事なのはすべての歯をみがくということです。
そしてむし歯対策として、歯の噛む面も最後にみがくとよいと思います。歯の噛む面には溝があり、ここに食べかすがたまります。
歯も経年劣化をするので、溝が深くなっていれば、噛み合わせの問題も出てきます。噛み合わせが気になる人は、歯科医院で直してもらったほうがよいでしょう。