児童手当、保育料、高校無償化の所得の計算に控除が影響

・所得金額調整控除は夫婦両方対象になる

2020年から導入された所得金額調整控除は、記入が漏れるケースが多いです。納税者の収入が850万円を超えており、23歳未満の子どもや特別障害者を扶養している場合または本人が特別障害者の場合は所得金額調整控除を受けることができます。

この控除は扶養控除と異なり、夫婦どちらかしか適用できないというものではありません。収入金額が850万円を超えていれば、夫婦ともに適用を受けることができるので、忘れずに申請をしてください。

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・生命保険料控除は3種類。契約者が配偶者の分も入れられる

生命保険料控除は生命保険に加入している場合、一定額を所得控除してくれるというものです。生命保険料控除は保険の契約時期や内容によって一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料に分類され(新制度の場合)、それぞれに控除額の上限が設定されています。3種類あるということを知らず、いずれかしか申告していないことがよくあります。きちんとそれぞれ該当する生命保険料控除を申告しているかどうか、もう一度確認してみましょう。

また、平成23年12月31日以前の契約は旧制度、平成24年1月1日以降の契約は新制度として計算され、新制度では控除額が拡大しています。新制度の契約があるにもかかわらず旧制度のみで申告している場合にも控除枠を使い切れていない可能性があります。

さらに、妻の契約であっても夫が保険料を払っている場合は、夫の生命保険料控除の対象となります。控除対象となるということを知らずに申請していないケースも多いです。

・配偶者や子どもの社会保険料も控除される

自分の社会保険料については年末調整で会社が計算してくれますが、生計を一にしている配偶者や子どもの社会保険料を払ったときにも、社会保険料控除の対象とすることができます。年末調整で忘れずに申請しましょう。児童手当、保育料、高校無償化の所得の計算の際の控除対象にもなるものですので、忘れずに申告してください。

・iDeCoの掛け金も控除される

iDeCo(個人型確定拠出年金)や、企業型確定拠出年金への拠出金は小規模企業共済等掛金控除の対象となります。こちらも児童手当、保育料、高校無償化の所得の計算の際の控除対象です。企業型確定拠出年金に加入している人は、会社にマッチング拠出の制度がないか確認してみましょう。マッチング拠出とは加入者が掛金を上乗せできる制度です。上乗せすることで控除を増やすことができます。