女の嫉妬は小さな長所、男の嫉妬は全人格に向かう

講演会で、福岡の料亭の女将おかみだった高名な女性と一緒になったことがあります。彼女は、世間に名が知れるにつれてご主人の態度が変わり、結局、離婚した経験を持っています。

こう言っていました。

「女の嫉妬は顔がきれいだとか、スタイルがよいなどという小さな長所に向けられる。しかし、男の嫉妬は、全人格に向かうから怖い」

嫉妬による攻撃に悩まされた私には、この言葉が非常によくわかるのです。

嫉妬には、男女差もあります。

男性は男性にすごい嫉妬を持ちますが、女性は男性の成功に嫉妬を持つどころか、尊敬の念を抱くのです。

男性社会だと、嫉妬で身動きできなくなることがしばしばです。しかし、女性が同数になると、男性的な嫉妬以外の感情でものごとが進むので、うまくゆくようになると、私は考えています。

女性同士の嫉妬という別の問題もありますが、まずは女性をもっと登用することが、閉塞へいそくしている日本に風穴をあけるに違いありません。

嫉妬されても、警戒しつつ関係を保つ。

嫉妬は誰にでもあるので、いちいち関係を断ってはキリがありません。

ネットの世界にうかつに深入りしない

誰の言葉にも耳を貸せ、誰のためにも口を開くな。

劇作家 シェイクスピア

私は、いわゆるSNSをやりません。何かを発信することは、批判されることだと思っているからです。

誰もが成功を目ざしますが、成功すれば批判が増えることを知るべきです。世間には嫉妬という悪魔が住んでいて、成功者や有名人が失脚するのを見たがっているのです。

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世間との蜜月を続けられればいいでしょう。しかし、世間から批判され始めると、どんな弁解も聞いてもらえなくなります。「説明責任を果たせ」と言われて弁明しても、「かえって疑問が増えた」などと反発されたりします。

そうなっては遅いのです。もう黙っているしかなくなります。

だから、私は不特定多数の人と意見の交換をしてはいけないと考えるのです。

SNSでの発信が評判になり、本を出したり、メディアで売れるようになる人も少なくありませんが、そのような成功は、破滅の危険もはらんでいます。

米国には「Easy come, easy go.」という言葉があります。ラクに手に入れたものは、すぐになくなるのです。

派手な職業ほど、世間の嫉妬に攻撃され始めると、ひとたまりもありません。

成功者や有名人が急に社会から消えることがあるのは、そのためです。「実るほど こうべを垂れる 稲穂かな」という古くからの教訓は、ネット社会の現代、ますます重要になると思われます。