「間に合う人」は心が澄んでいる
なぜ後始末もしっかりしないといけないかといえば、それは次への準備だからだ。
つまり、1つひとつの「準備・実行・後始末」は常に次の「準備・実行・後始末」へとつながり、大きな円環をなしているわけだ。
このサイクルをきれいに回している人は、常に「間に合っている」状態にある。ものごとがうまくいかないことの多い人は、たいてい「間に合わない」行動をしているものだ。
「準備・実行・後始末」のサイクルをきれいに回していると、心は余計なものが生じず「澄んだ状態」になる。「澄んだ状態」にあれば、感覚はおのずと研ぎ澄まされる。
感覚が冴えると、ものごとのわずかな流れでも素早く察知し、運やチャンスに気づくことができるのである。
麻雀に東南西北がある理由
運に選ばれる人は、逆境にあってもそれを順境に変えることができる。そのキーワードとなるのは「円」である。
私は、自分に不利な流れが生まれているときは、円の感覚を持つようにしていた。円の感覚があれば、いまツイていなくても、やがてツキが回ってくるという構えができる。その余裕があれば、不利な状況から早く抜け出そうと焦ったり、感情がコントロールできなくなって思わずヘタを打つようなことはない。
私が円の感覚を持てるようになったのは、麻雀のおかげである。麻雀は東南西北があってぐるぐる回っている。麻雀の本質はそこにある。
自分だけが上がればいいという一方通行の気持ちだけでなく、相手にもチャンスが回ってそれがまた自分にも返ってくる、という円の感覚を持つことが勝負においては重要なのだ。
ぐるぐるチャンスが回っているのは、東南西北という方角があることで卓上にも自然という宇宙が投影されているからである。それゆえ、そこでは自然界の流れや動きに近いものが起こる。自然の変化を察知するのと同じように、卓上の微妙な変化も感覚を鋭く立てていないと気づくことができない。