「流れ」を感じ取る力を持て

では、運に選ばれる人とはどういう人なのか。いくつか例をあげてみよう。

その1つは、ものごとの流れを感じ取る力があることだ。

サッカーや野球などスポーツの試合には流れが存在する。流れがいいほうに向いているか、悪いほうへ向いているか、見ていれば流れのおおよその方向は感覚的にわかるものである。悪い流れであったものが、いいプレーが生まれたことをきっかけにいいほうへ流れが変わり始めることもあるし、その逆のこともある。

運に選ばれる人は、こうした流れ全体のなかに潜んでいるさらに細かくて複雑な流れのあやを感じ取ることができる。

この局面ではこういう動きをしようとか、ここで選手を入れ替えようとか、ちょっとした流れの変化を察知することで瞬時に判断を下していける。その細かい決断を重ねていくことで、いい流れを加速させたり、悪い流れを変えたりする。

ものごとの流れがわかると「運の流れ」が見えてくる

流れを読む力は、同様に仕事や生き方においてもとても重要だ。流れを読み間違えれば、大きなミスにつながりかねないが、反対に流れをうまくとらえるとプロジェクトを成功させるなど、いい結果を導くことができる。

流れは1つだけではない。川の流れを見ればわかるように、流れは速かったりゆっくりしていたり、太かったり細かったり、無数のさまざまな流れが混然一体となっている。

ものごとの流れも大きな流れと同時に小さないくつもの流れが存在する。この小さな流れにも気づくことがとても大事だ。小さな流れであっても、それはやがて大きな流れへと成長していったりする。

そんな大小さまざまな流れをいかに的確にとらえるかで、運の流れもまた大きく変わってくるのだ。