中学受験の知識問題は語彙力UPの「宝物殿」
次の中学入試問題に取り組んでみてほしい。2022年度・高輪中学校(A日程)で出題されたものだ。
1 妙な場所で電車が停車したことを( )思った。
2 彼の演奏はあまりにも( )て、批評のしようがなかった。
3 なかなか返事が来なかったので、( )てしかたがなかった。
ア おびただしく イ いかめしく ウ つたなく エ もどかしく
オ いまわしく カ いぶかしく
《解答は末尾に記載》
心情表現を中心に選択させるものである。このような出題をすること自体、入試問題作成者は子どもたちの語彙に不安を抱いているということかもしれない。
ところで、いま挙げた「心情表現」もそうだが、国語の中学入試問題では読解のみならずいわゆる「知識問題」が数多く出題されている。この「知識問題」は、「言語知識問題」と「文法知識問題」に二分されるのだが、前者は、漢字の読み書き・漢字の知識(部首・画数・音訓・送りがな・かなづかいなど)・二字熟語(熟語の組み立てなど)・三字熟語・四字熟語・同音異義語・同訓異字・多義語・対義語・類義語・慣用句・ことわざ・故事成語・敬語・その他(畳語・比喩表現などのレトリック・助数詞・心情表現・オノマトペなど)と多岐にわたる範囲から出題されている。そして、これらの「言語知識問題」は子どもたちの語彙増強の「宝物殿」と形容して差し支えない。
中学入試問題をきっかけに、親子でワイワイ語り合いながら、ことばの面白さや奥深さを感じつつ、「語彙力増強」に努めてくれたら嬉しく思う。
① カ ② ウ ③ エ