企業の中国脱出はいっそう増える恐れ
そうした状況下、海外に拠点を移す中国の企業は増えるだろう。台湾問題などの地政学リスクの高まり、人口減少よる労働コスト上昇などを背景に、中国からインドやASEAN諸国、自国内などに生産拠点を移す海外企業も増えた。中国の雇用機会は減少し、社会全体で閉塞感は高まるだろう。
それと同じタイミングで、高金利商品の価格が大きく下落すると、投資資金の返金を求めるデモは激化する可能性もあるだろう。債務問題の深刻化によって、相対的に信用力が低く金利の高い商品の市場に混乱が生じる可能性は高まる。
そうなると、習政権への不満や批判も増えることも予想される。高金利商品のデフォルトは、中国経済の重大な波乱要因になるかもしれない。それが現実のものになると、世界経済にもマイナスの影響が及ぶことは避けられない。