そもそも、ブライダル業界を救う必要はあるのか

確かにウエディング業界は、コロナで大きな影響を受けただろう。ただし、それはウエディング業界だけの話ではなく、多くの業界に共通するものである。

また、コロナがなくとも、結婚式というものの在り方が大きく変容しており、「なし婚」「地味婚」が増え、結婚式場での派手な結婚式を行うカップルは減少し続けていた。この問題の本質は、核家族化が進み、職場などの人間関係も希薄化しており、派手な披露宴を無駄と考える人が増えたことであると考える。つまり、ブライダル業界はコロナ以前から淘汰の波にさらされていたわけだ。そんな業界をあえて補助金で救う必要があるのかという問題なのだ。

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これはウエディング業界だけの話ではない。かつて、百貨店と銀行はつぶれないといわれていた時代もあった。しかし、バブル崩壊以降、百貨店の数は大きく減少し、銀行も淘汰の波にさらされ続けている。これは時代の変化によるものであり、受け入れざるを得ないものである。

大学や高校などの学校も同様であり、外国人留学生と巨額の補助金で学校を維持するのは本末転倒であり、日本人の税金が無駄に使われている実例といえるのだろう。

省庁と議員による利権構造

なぜ、このような無駄が許されるかといえば、各省庁と議員による利権構造がそこに存在するからといえる。

多くの学校法人は文部科学省からの天下りを受け入れ、学校は各種補助金獲得のために奔走する。令和4年度の私立大学等経常費補助金だけで約3000億円であり、他にもさまざまな補助金が支給されている。また、外国人留学生制度の予算は264億円程度となる。それは本当に必要なのかということなのだ。

確かに大学には研究機関としての役割もあり、それが日本の発展を支えている側面があるが、それは一部の大学であり、ただ単に学位を得るだけの場になっている大学も多い。

学生から選ばれなくなった大学をわざわざ補助金で救う必要があるのか、という問いは、今回のブライダル補助金とまったく同じ構造になっている。