男性は、自分が中絶を簡単に回避できると知っている

中絶の多くは、望まない妊娠が原因で選ばれています。しかし、希望している妊娠で起きる中絶もあり、それは心を引き裂かれるような体験です。胎児が子宮内で死亡したり、医学的な問題があり生命の維持ができなかったりする場合もありますし、母体が医学的問題を抱えて妊娠の継続がそれ以上できないというケースもあります。

ガブリエル・ブレア『射精責任』(太田出版)

とても心の痛む状況ですが、幸いなことに、このようなケースが中絶全体に占める割合はとても低いものです。私がこれを指摘したのは、男性は大半を占める選択的中絶を簡単に防ぐことができると示すためです。責任ある射精をするだけです。

私たちの政府を動かしているのは、多くが男性です。

50年あまりにわたって、多くの男性が中絶を減らそうとロー対ウェイド判決を覆す方法をがむしゃらに模索してきました。そして2022年7月、ほぼ男性で構成されている最高裁判所が、実際にロー対ウェイド判決を覆しました。50年という月日をかけて。

おかしいことだと思いませんか。だって、男性が本当に中絶を減らしたかったというのなら、50年もかかるわけがないじゃないですか。

いつ何時でも、あっという間に、男性は中絶の数を減らすことができました。数週間でいいでしょう。中絶に関する法律を変えることなく、女性の身体について法制化することなく、女性に言及する必要さえないのです。

男性がしなければならなかったこと。それは、責任ある射精です。それだけ。

今までそうしてこなかっただけです。

今日においても、男性はそれをしようとしません。

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