時間割ではなく1日のノルマを設定する
夏を制するための過ごし方のヒントは、桜木いわく「コンビニのチェーン展開の方法」に隠されているといいます。
コンビニは、全国すべての店舗の出店戦略を最初から決めているわけではありません。まずはある戦略を基に一つの店舗を出店し、それが成功した時のみ、それをモデルケースとして2店舗目、3店舗目――と出店を広げていくわけです。
これは、すべて同一の戦略によっていきなり多店舗出店に手を出してしまうと、失敗した時のリスクが途方もなく大きいため。小さなことからコツコツと積み重ねていくことこそが、一つの成功を招くわけです。
同じように、夏を過ごす上でも「一つの成功例を拡大していく」という考え方は非常に有用です。例えば、ノルマ制を導入するなどが挙げられます。夏休みの1日にやるべきノルマを逆算し、1日にこなすべき仕事を決めてしまうのです。
そうして設定したノルマをクリアすることができれば、その日の残りは自由に過ごしてよい、というルールを決める。すると、やるべきことをこなしながら、無理のない範囲で頑張ることが可能になるのですね。
この戦略は、僕も現役の受験生の時に使っていました。当時の僕は、先々のスケジュールを決めることが大変苦手で、1カ月先どころか、1週間先の自分が何をしているかも分からないままで勉強していました。
その代わり、見失わないように決めていたことが2点ありました。一つは「入試本番の日にできるようになっているべき内容」で、もう一つは「その日その日にやるべき内容」です。