始められない人は「やらない理由」を探し続けている
私のセミナーに来られる方は、講座で学んだことを素直に実践される方が多いのですが、残念ながら全員がそうとは限りません。
中にはまったく行動に移さない方もいました。
2年間のうちに3回も私のセミナーに参加した40代の女性は、とても真面目で、情報へのアンテナが高く、投資の始め方や金融についての情報を懸命に収集していました。
セミナー中も真剣に話を聞いてメモをとり、質問していたので、印象に残っています。
そして、「つみたてNISAをやってみます!」と目を輝かせて帰っていきました。
ところが、2年後にひょっこり私のセミナーに現れたのです。そして、まだつみたてNISAを始めていないとのことでした。
詳しくお話を伺うと、情報収集していたら友達に「FPの資格を取るのが一番いい」と言われたそうです。
そこで新たな悩みが出てきて、「いろんなセミナーに参加するより、FPの資格を取った方がいいのでしょうか」と質問してきたのです。
他人の意見に流されず判断できるようになることが大事
どうしてそう思ったのか、質問を続けると、
「AさんはFPの資格取得が近道だって言うし、金融機関に勤めているBさんは、つみたてNISAよりiDeCoだよって言うし、何がなんだか分からなくなってきて」
とのこと。
私は、「正解は人によって違うんですよ。一番大切なのは、他人の意見に流されずにお金の判断を自分でできるようになること。私のセミナーでは、中立公正な立場で判断基準をお伝えしています」
と言いました。
彼女は、「そうなんですね。分かりました。またいろいろと調べて考えてみます」と答え、再び情報収集の旅へ出かけていきました。
彼女自身は、自分が行動できないのは「友達が○○と言ったから」のように、外部に原因があると思っています。
深層心理に何かが引っ掛かっている人の特徴
しかし投資に限らず、いつまでも行動しない場合、本当の原因は自分の心の中にあります。
特に、行動できないのは自分以外のせいだと主張する人ほど、深層心理に何かが引っかかっているのです。
ひょっとしたら過去に、誰にも言いたくないお金のトラブルがあったのかもしれないし、自分の判断に自信が持てなくなる出来事があったのかもしれません。
人は誰でも、外部要因で心を揺さぶられる生き物。判断に迷ったり、落ち込んだりします。
しかし、そういう自分を「ダメだな」なんて責めないでください。
行動できない本当の原因は自分の心の奥底に隠れていて、「行動しないという行動」を取らせているだけなのです。
この事実に気づいて、心の重荷を降ろしましょう。