小学生の頃から言っていることが変わっていない

そして、ゆたぼんが喋っている内容をご覧になっている方はお気づきかもしれませんが、小学校の頃と、そこまで話していることが変わっていないのです。

たとえば、5月5日に公開された「死にたくなるぐらいなら学校行くな」という動画では、不登校について語り始めた4年前と変わらず「人生は冒険だ」「自由に生きよう」などと語っているわけです。おまえ、あれからもう4年も経過しているのに、なんだその学のない話し方は。多感な時期に、嫌でも何かを学ぶことの大切さって、こういうところに出るのではないかなあと思うわけですね。

裏を返すと、プロデュースをしているゆたぼんの父親の世界観が子どもの成長と同じようには広がっていかなかったことをも意味するのかなと感じます。

「ネットのおもちゃ」のように消費されてしまった

そういう一風変わった芸風のゆたぼんを、しょせんは他人の人生だからとネットのおもちゃのように消費してきたのもまた日本のネット社会であり、それは悲劇であったように感じます。やっぱり、最初出てきた時は面白かったし、子育てをしている親目線からしても「そういう意見もあるよな」と受け入れられたわけですよ。

ゆたぼんも、2022年の11月2日にTwitterで「10月だけで俺に関するニュースが100本ぐらいあったらしいw」と投稿しておりネットで話題にされていることを喜んでいるようですが、ネガティブな文脈で取り上げられている記事も少なくないことを考えると、当時13歳の少年がネット社会で見世物にされるという残酷な状況にあったと言えるでしょう。人気を博しても旬が過ぎるとファンだけが減ってアンチが残るのは世の常とも言えます。

写真=iStock.com/asiandelight
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たしかに、はあちゅう(伊藤春香)さん的な人生コンテンツも、切り売りできる人生に他者からの共感や参考にできる価値がなくなればオワコンになるのと同様、おそらくは世間の話題となる「次の何か」を探してもがいている状況になってしまっています。冒頭で紹介した勉強に関する動画もそのひとつでしょう。

ただ、はあちゅうさんが成人してから活動し始めたのに対して、ゆたぼんは9歳から動画投稿をしているわけですから失ってしまった時間の価値は比べ物になりません。我慢してでもきちんとした学びを経なかった子どもがどうなるのか、あまり良く無い意味でのリアリティーショーを観させられているのが現状でしょう。