フロスや歯間ブラシは、歯ブラシ“前”に
そのため、「寝る前」の歯みがきでは、フロスや歯間ブラシをぜひ併用してください。歯ブラシでのブラッシングのあとに使っている方が多いと思いますが、その順序を変えて、ブラッシングの“前”にフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の隙間の汚れを念入りに取り除くことをお勧めしています。
必ずしも“前”でなくてはならないというわけではありません。とにかくフロスや歯間ブラシを使うことが大切なのですが、使うならば“前”のほうが効率が良いというデータが出ているのです。
図表1のグラフの研究結果からわかるように、フロスを使ってから歯みがきをするほうが、歯みがきをしてからフロスを使うよりも、口の中の汚れが減少することがわかっています。さらに、このデータでは、虫歯予防に効果的なフッ化物が歯間に残りやすいという結果も出ています。
とはいえ、フロスを先に使うと、あとに使うより汚れが手につきやすいため抵抗があるという方もいらっしゃいます。そういう方は、ブラッシング後でもいいので、ぜひフロスや歯間ブラシを併用してください。
歯ぐきからの出血は「異物除去のサイン」
フロスも歯間ブラシも、通しさえすれば、汚れが取れるというメリットがあります。ただ、通し方にはほんの少し違いがあります。
フロスは、歯間に上から通して下まで入れると、歯のカーブに沿って前後に動かしながら上まで移動します。一方、歯間ブラシは、歯の根元の三角形の隙間に入れると、前後に2~3回動かすだけです。
電動歯ブラシを使っていれば、フロスや歯間ブラシが不要だと思っている方もいますが、電動歯ブラシでも歯と歯の隙間はみがけないので、併用が必要です。また、インプラントが入っている人は、一般的なフロスや歯間ブラシに加えて、歯の状況に応じた専用のツールが必要です。
フロスや歯間ブラシを使っているときに、歯ぐきから出血することがありますが、この出血はなんらかの異物を除去しようとする体のサインです。日ごろからフロスや歯間ブラシを使っていれば、早い段階から歯周病などのトラブルに気づけます。