親の不安や攻撃性はそのまま子どもに伝わってしまう

子どものことを思って「よかれと思って伝えた」先生の発言を「子どもが否定された!」と、攻撃的に受け止めてしまうと、親御さんも先生も苦しくなります。そしてそれは何より子どもにとってよくないのです。

親の不安や攻撃性は、近くにいる子どもに伝わります。つまり、親が不安を感じ攻撃的になると、子どももそれをならうように不安で攻撃的になるのです。これでは、子どもの行動は改善しませんし、先生との関係も悪くなる一方でしょう。

先生だって人間。完ぺきなわけではありません。だからこそ、互いを思いやるコミュニケーションが欠かせないのです。先生から子どもについて何か指摘をされたとき、言い返したくなってもとりあえず飲み込み、「いつもいろいろ教えてくださってありがとうございます、ご迷惑をおかけしてごめんなさい」と、言ってみましょう。かたちだけでも言葉にしてみることで、その後の会話がスムーズになると思います。

相手の言葉を否定せずに受け止め、そこからボールを投げ返すように言葉を返す。これはコミュニケーションの基本です。気持ちを受け止めて感謝の言葉を伝えたその上で、自分の言いたいことを主張してみると、先生もこちらの話を聞く下地ができているので、スムーズに話し合いができるでしょう。

学校の先生との関係が悪くなれば、貴重な子どもの情報をもらえなくなり、子どもの学校での様子を聞けなくなります。「発達障害ではないでしょうか?」と言われ、とても驚いたとしても、まずは受け止めることが大切なのです。

病院に行く前に生活リズムをチェックしたほうがいい

2.生活リズムを整える

先生から言われたことをまずは受け止めるのが大切というお話をしましたが、もし「発達障害だと思うので、すぐに病院に行ってください」と言われたら、その言葉通りすぐに病院に行くのは時期尚早です。病院に行く前に、生活リズムは整っているかチェックしましょう。

しっかり眠れているか、食べられているか、生活を振り返ってみてください。もしも、生活リズムが乱れていたり、睡眠が十分とれていないのであれば、それを見直すことから始めます。くり返しになりますが、まず、朝早く起きることから始めましょう。

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小学校中高学年にもなると、ずっとゲームやスマホをやっていて、なかなか寝てくれないという話もよく聞きます。こんなときでも話し合いを抜きに、ゲームやスマホを取り上げるのは禁物。やる時間、いつやるかなどゲーム・スマホで遊ぶときのルールを話し合い、自分で決めてもらいましょう。私はこのように話しています。

「Dくん、忘れ物が多いって聞いたけど、忘れたくて忘れているわけではないよね。実はね、忘れ物をしないためには、たくさん寝るといいんだって。早く寝るためにはもう少しだけ早くゲームを終われるといいよね。ゲーム、何時くらいまでに終わらせるか決めない?」

こうした会話をきっかけに子ども自身に考えてもらい、就寝時刻を決めるのです。先生からの指摘をよいきっかけにして、生活を見直してみましょう。私のこれまでの経験上、親から「決めつけられた」ことではなく、話し合った末、子どもが自分で決めたルールのほうが守れる可能性が高いです。