学校の教師などから「お子さんは発達障害の可能性があります」と言われたらどうすればいいか。文教大学教育学部の成田奈緒子教授は「まずは先生の言葉を冷静に受け止めることだ。そのうえで、慌てて医療機関に行くのではなく、子どもの生活リズムをチェックしてほしい」という――。

※本稿は、成田奈緒子『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。

ソファの上で膝を抱えて顔を伏せる子どもの頭をなでる母親
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まずは冷静になって先生の話を聞く

個人面談などの場で、「お子さんは発達障害の可能性があります」と学校や園の先生に言われたときに、どう対処したらいいでしょうか。

私は、医療機関や子育て科学アクシスで発達障害などの方を診る他に、地域の園や学校で理事やアドバイザー的な仕事もしています。そのため、教育現場に関する相談を先生方や教育に携わる方から受けることがあるのです。また、大学では特別支援教育を志す学生を教えていることもあり、学校教育に関する知識も少なからずあります。

こういったところから、学校や園の先生とのつき合い方について、私がよいと思う対応法をお伝えしたいと思います。

1.冷静に受け止める

園の先生、学校の先生から「あなたのお子さんは発達障害の可能性があります」と言われたら、親御さんがビックリしたり、不安になったりするのは当然かもしれません。でも、いくら不安になったとはいえ、先生の言葉を即座に否定したり、言い返したりするのはやめましょう。

このようなときは、とにかく冷静に、最後まで先生の話を聞くことをおすすめします。また、先生から指摘を受けることで、パニックになる親御さんも多いのですが、パニックになることはありません。「先生から怒られちゃったじゃない、あなたのせいよ」と、子どもを叱ったり、子どもを変えようといろいろなルールを押しつけたり、問いただしたりする必要もありません。