勉強よりも生活リズムを優先したほうがいい

3.勉強を頑張らせすぎない

親御さんが学校の先生からよく言われる言葉に「勉強を頑張らせてください」というものがあります。こういう先生は多くて、「家庭学習は親の役目」「家でもっと勉強させるようにしてください」などと言われることも少なくありません。このように言われた親御さんは、「私が頑張らないといけない」と思い、お子さんの横に張り付いて勉強させてしまう方が多いのですが、それはたいへん間違った方向です。

多くの場合、勉強は親御さんの家事が終わった後、夜の9時過ぎから深夜にかけて行うことが多いので、子どもの大事な睡眠時間が削られて、脳が育たず、発達障害もどきの状態に発展していくこともあります。そういった問題が現れるきっかけが、先生から言われた言葉というのは、残念ながらよくある話です。

親御さんは、先生に何を言われてもまずは生活改善を目的にして、あとは泰然と構えていましょう。学校での行動に問題があるのなら、勉強で得意なものをつくってあげようと、無理に勉強に力を入れてしまう親御さんも見受けられますが、生活がおろそかになることは絶対にNGです。

学校の環境改善が必要な場合は敬意が重要

4.生活リズムの改善でうまくいかないときは、病院へ

上記の流れで、子どもの生活リズムを整えつつ、子どもの様子を観察します。

生活リズムを改善しても、発達障害もどきの症候が収まらない場合、学校の環境改善も必要であれば先生に相談をしましょう。話し合いは先生も親御さんもどちらにもストレスがかからないようにできるといいですね。「こうしてください」と一方的に話すのではなく、こちらの要望は伝えた上で、学校ができること、できないことを教えてもらい、最善の策を講じられれば一番だと思います。

勉強中、机の上に顔を伏せる子ども
写真=iStock.com/takasuu
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ここで大事なのは、自分の主張を相手に呑み込ませるテクニックではなく、敬意です。相手への敬意をもって、傾聴を心がけた会話をすることできっとよい結果が出るはず。先生も親も子どもの幸せを祈るという目的では同志だからです。学校の環境を変えてもらっても症候が収まらない場合は、医療機関を受診することになります。

その場合、できるだけ発達障害に詳しい医師のところへ行きましょう。