「苦手な子と同じチームになった」という悩みに効く孫子の教え

呉人ごひと越人えつひと相悪あいにくむや、
其の舟を同じくしてわたりて
風に遇うに当たりては、
其の相救うや、左右の手のごとし。
(九地篇)


仲が悪いと思っていても、
同じチームで同じ体験を
することで、
最強の仲間になれる。

いやだなぁという気持ちは顔に出る

学校生活の中では、「あの子、苦手だな」と思っている子と、となりの席になったり、同じ班になったりすることってあるよね。

「あー、いやだなぁ」と思っていたら、その気持ちは、顔にも態度にも出て、相手に伝わってしまう。これでは、せっかくの学校生活がつまらないものになってしまうよね。

いやだなと思っていても、「となりの席」「同じ班」であることは変わらない。それなら、苦手だ、という思いを捨て、ふたりでする作業を思い切り楽しむつもりで取り組んでみよう。先生からの課題には知恵を出し、協力し合おう。席替えになり、班が変わるころには、はなれるのがおしいくらい、よい友だちになっているかもしれないよ。

イラスト=『チコちゃんと学ぶ チコっと孫子』(河出書房新社)より

「もうがんばれない」に効く孫子の教え

少なければすなわく之をのがれ、
かざれば則ち能く之をく。
(謀攻篇)


「だめだな」と思ったら、
にげてもいい。
にげ出すことにも、
価値があるんだ。

戦いをやめるのは戦いを始めるより難しい

戦いをやめるのは、戦いを始めるより難しいと言われているよ。とくに負け戦はやめるのが難しい。やめると、負けは決定し、自分の力が足りなかったこと、自分の判断がまちがっていたことが明らかになるからだ。誰だって自分の弱さや、まちがいを認めるのはいやだよね。

でも、負ける戦いをズルズル続ければ、状況が悪くなるだけだ。体も心もクタクタになったら、がんばる気持ちさえ失ってしまうよね。

力が足りなかったのなら、力をたくわえ直して、もう一度挑戦すればいい。自分がまちがえていたなら、それを認めて、別の挑戦をすればいい。価値のある負けを受け入れたなら、それは、未来への大きな一歩につながっているんだよ。

イラスト=『チコちゃんと学ぶ チコっと孫子』(河出書房新社)より