東大生の親の共通点:子供の「ポジティブな姿勢」を育てる
プロセスをほめる言葉で子供は伸びる!
アンケートで「親は前向きな声かけをしてくれましたか?」と聞いたところ「よくしてくれた」「まあまあよくしてくれた」と合わせて72%がYESと回答した。
「私の感覚としては半数くらいかと思っていたのですが、高い割合ですね。子供の意欲を高める声かけをしている方が多いと言えます」と前野さんは言う。
では具体的にはどんな声かけをしてもらったのか。「勉強だけでなくゲームの成績もほめてくれた」「塾の帰りによくがんばっているねと言ってくれた」のようなほめ言葉が多かった。
前野さんの印象に残ったのは次の回答だ。
「『朝、出かける前に“今日もいいことがたくさんあるよ!”と言ってくれた』というのはいいですね。子供は視野が広がり、何かいいことあるかなといいこと探しをするようになる。“魔法の言葉”ですね」
また東大生の親は子供のミスを責めない親が多いというのにも注目したい。「親は、あなたのちょっとしたミスを責めましたか?」の質問には「責められなかった」「あまり責められなかった」を合わせて47%が責めないという結果が出た。弊誌が一般の若者(19~25歳)にWEBアンケートで同じ質問をしたところ「責められなかった」と答えたのは31%だったので、16ポイントも東大生の親が高いことがわかる。
「親は、子供を心配してついミスを指摘してしまうもの。でもミスや失敗を責められると、次も失敗したらどうしよう……と挑戦をしないようになっていきます。ミスをしても『じゃあ、次どうしようか』などと、“失敗してもどうにか挽回できる”というメッセージを伝えてほしいです。たとえば、子供が料理を作って焦がしてしまったとき、『焦げちゃったけれど、いい挑戦だったね!』などと言うのがいいですね」
さらに「親はあなたのできていないところよりもできているところに注目してくれましたか?」の質問にも78%が「よく注目してくれた」「まあまあ注目してくれた」と答えた。日々子供と接していると、どうしても欠点や短所に目を向けがちだが……。
「人間は本来、ネガティブなことに意識が向きやすいというのが心理学の研究でわかっていますが、子育てではこの性質は厄介。子供に『なんでこれができないの?』『何回言ったらわかるの?』などと小言を言ってしまう人も多いでしょう。子供の悪いところ、足りないところ探しばかりしていては、不安や不満ばかり抱えることになってしまいます。1回叱ったら3回ほめる、ポジティブ3:ネガティブ1くらいの比率で行動しましょう」