日本の激辛は四川省からすれば「小辛」レベル
四川省といえば、四川料理、激辛料理のイメージが強いと思います。
激辛度は本当に高くて、日本の激辛とはレベルが違います。日本にいると、わたしも辛いものが得意になったと勘違いしそうですが、日本の激辛は四川省の小辛くらいの感覚です。
日本でよく知られている麻婆豆腐や坦々麺、あまり辛いわけではない回鍋肉や青椒肉絲などが四川料理です。
四川料理を代表するのが麻婆豆腐のようにも思われがちですが、麻婆豆腐は四川省では家庭料理。家で作って食べるのが普通で、レストランで頼むことはあまりない料理です。
四川料理で唐辛子を使うようになった歴史は浅く、わずか200年くらいです。
それ以前から料理によく使っていたのが特産品の花山椒で、こちらは3000年ほどの歴史があります。
湖南料理や貴州料理なども激辛で知られますが、四川料理ならではの特徴が花山椒のしびれる辛さです。この特徴が「麻辣」と呼ばれます。
なぜ四川人が辛いものを好むかといえば、四川盆地は暑くて曇りの日が多いので、体の中に湿気がたまりやすいから。
東洋医学では、湿気は体の不調を引き起こす原因のひとつとされています。辛いものを食べて汗をかけば、湿気(水分)を発散できます。実際にそれで体調が良くなると感じられるので、辛いものをよく食べます。
たいていのマンションに麻雀ルームがある
四川人は遊ぶのが好きで、“中国一、働く意欲のない省”と言われています。
「少不入川、老不出蜀(若い人間は四川に来るな、老いたる人は出るな)」ということわざがあるくらいです。若い人には刺激がなさすぎますが、年を取ったあと、これほどのんびりできるところはないという意味です。
それも大げさな表現とはいえません。四川人の休日は、麻雀をやって、火鍋を食べて、カラオケでワイワイして、深夜の屋台料理を食べるのが普通です。
麻雀がとにかく大好きで、大抵のマンションには麻雀ルームがあるほどです。
四川省では「麻雀ができないと友達ができない」という言い方もされますが、うちの親世代あたりは実際にそうだったようです。
旅行先でも、観光地を回ってご飯を食べたら、午後から麻雀をしています。
男性だけでなく、女性のほうが好きな人が多いくらいかもしれません。うちの母親も重度の愛好者で、一時期はほぼ毎日、麻雀をしていました。わたしも麻雀はできますが、そこまで好きではないですね。
中国では地域によってルールが異なっていることが多く、四川省では萬子、筒子、索子の3種類しか牌を使わず、字牌などを入れないやり方が一般的です。その分、ルールが簡単になるので、すぐに覚えられます。