帰国生入試の最難関「渋ズ」とは何か

増加・多様化する帰国生の中学受験ニーズに対応するため、首都圏では約160校の国公私立中学が帰国生入試枠を設けている。

1 英語1教科
2 英語・国語・算数3教科
3 国語・算数・作文

といったように、4教科が基本の一般入試より受験科目を減らして帰国生の負担を軽減している学校がほとんどだ。

帰国生入試を実施している首都圏のほとんどの中学は、対象となる帰国生を「保護者の海外赴任に帯同して海外に継続して2年以上滞在中、もしくは帰国して2、3年以内」の小6としている。ひとくちに「帰国生」といっても、滞在国や滞在年数によって、英語力はさまざま。非英語圏の日本人学校に通う児童の場合、英語力は日本国内の小学校の児童とほとんど変わらないといえるだろう。

帰国子女がまだ珍しく、小学校での英語教育も実施されていなかった一昔前は、難易度、競争率とも、「一般入試>>帰国生入試」という図式が成り立っていた。多少の英語がしゃべれれば、そこそこ名の通った学校に合格できた時代も確かにあった。

しかし、経済活動のグローバル化により日本企業の海外駐在員は増え続け、日本国内でも英語教育改革が進んで幼少期から「聞く」「話す」「読む」「書く」という「英語4技能」の習得に励む親子も急増している昨今、帰国生入試も年々難化し続けている。

開成、桜蔭など男女御三家や筑波大学附属駒場、慶應中等部など、いわゆる「中学受験最難関校」には帰国枠がない。では、英語受験の帰国生にとっての最難関校はどこなのかというと、渋谷教育学園渋谷(渋渋)、渋谷教育学園幕張(渋幕)の2校になるだろう。

受験関係者や父兄は、両校を帰国生受験の最高峰として「渋s(渋ズ・シブズ)」と呼んでいる。彼らは開成や桜蔭といった御三家などには目もくれない。