「日本の文化は行くところまで行っている」からアリ?
「はっきり言って、日本の文化はもう行くところまで行っちゃっていると思っている」
メアリーは日本のサブカルチャーに詳しく、コロナ前は何度も日本を訪れていた。一例としてドアノブを性的な対象にしている日本の漫画を挙げ、「あらゆるものが性的な対象になりえる日本では、『月曜日のたわわ』はそんなにおかしくないのでは?」と言うのだ。
そんな彼女も、今回の広告に関しては「新聞に載せるのはふさわしくなかったと思う。朝の電車に乗っている人たちが、変な想像をしてしまったりするだろうから」と反対するものの、「『癒やし系』の漫画自体は存在してもいい」と主張する。
例えば、リムコロ氏の漫画『世話やきキツネの仙狐さん』(KADOKAWA)は、狐耳の女の子が、男性の家に住み着いて彼の世話をする物語だ。特に性的な意味を持つ漫画ではないが、「主人公(の男性)が仙狐さんのしっぽに触りたがるシーンがあり、見方によっては性的に見えるかもしれない」(メアリー)とした上で、「こういうものまで禁止してしまったら、人々は癒やされる場所をなくしてしまうのでは?」と疑問を投げかける。
校則で「ポニーテール禁止」はありえない
確かに、こうしたグレーゾーンこそが日本のポップカルチャーの強みという考え方もある。自由な表現に裏打ちされた日本の漫画・アニメは、他国にはないクリエイティブなコンテンツとして、高い評価を受ける作品も数多いからだ。
一方で性的な、時には変態的なニュアンスを含むものも同時に存在している。それをメアリーのようなアメリカ人ファンはよく理解しており、良い悪いの評価を下す前に、日本文化の一つとして受け止めている。彼らにとってはそれが今の日本のリアルな姿なのだ。
もう一つ、『月曜日のたわわ』の話題に派生して、興味深い意見が出た。日本とアメリカとの校則の違いである。
日本でしばしば炎上する「ブラック校則」は、アメリカのネットでもちょっとした話題になっている。少し前は白い下着や黒髪の強制、そして今はポニーテール禁止がYouTubeを中心にネットに上がってくるようになった。シャンシャン(21歳)は語気を強めて抗議する。
「日本の一部の高校では女子のポニーテールが禁止されているそうだけれど、その理由がポニーテールでうなじを見せると、男子を性的に刺激するからって、ありえない!」
この校則にはシャンシャンを含め、皆がかなり驚いた。なぜならアメリカの高校には基本校則がない。生徒の服装に学校が口を出すのは自由の侵害であり、もし未成年であれば、子の風紀管理は親に権限があるからだ。