「相手を主人公にする」と会話がスムーズになる

第2位は、『またすぐに! 会いたくなる人の話し方』でした。

野口敏『またすぐに! 会いたくなる人の話し方』(三笠書房)

本書の著者は、話し方教室を運営する野口敏氏。そんな著者はかつて、ある企業の社長から「入社以来受注ゼロの営業社員がいるので、話し方を指導してほしい」と依頼されました。そこでたった一つ、あるポイントを教えたところ、その社員は見る見るうちに成長。半年後には大きな取引を成立させたそうです。

そのポイントとは「相手を主人公にして話すこと」。例えばスイーツ好きの相手と会話をするなら、「カレーのあとにぜんざいが食べられるかも」「ケーキやパフェに3000円出せるかも」などと想像してみましょう。そして、相手を主人公にして「カレーのあとでも、ぜんざいが食べられたりして」などと話を向ければ、話が弾むでしょう。

相手の気持ちを想像するのも有効です。「車を買ったよ」と言われたら、「どの車にするか決めるまでに、ずいぶん迷ったんだろうなぁ」と想像して、「大きな買い物だから迷いますよね?」「この車にした決め手は何でしたか?」と質問すればいいのです。

本書には、「相手主人公の話し方」を軸とした、今日から使えるテクニックが満載です。「相手主人公の話し方」を身につければ、仕事の場はもちろん、プライベートのコミュニケーションもぐっと楽になるでしょう。

頭の中のノイズを消して“よはく”を生み出す方法

第3位には、『頭の“よはく”のつくり方』がランクインしました。

鈴木進介『頭の“よはく”のつくり方』(日本実業出版社)

私たちの頭の中は、常にノイズでいっぱいです。明日締め切りの資料に取り掛かろうと思ったら、上司からチャットが届く。返信をしていると、クライアントから着信。電話で話している短時間のうちにも、ニュースアプリから次々に通知が――。こんな状況では、落ち着いて考えたり行動したりすることはできません。

こうした状況を改善したいなら、本書を読んで、頭の中のノイズを減らしましょう。ノイズを減らせば、思考に“よはく”が生まれ、大切なことだけに集中できるようになるはずです。

すぐに試してほしいのは、ひとり時間のレパートリーを増やすこと。スマホに「ひとり時間」の“メニュー表”を作っておき、「疲れたな」「頭の中がごちゃごちゃしているな」と感じたら、今日のメニューを直感で選びましょう。1人で映画を観に行く、書店をハシゴする、降りたことがない駅でカフェを開拓する、など、想像しただけでワクワクしませんか?

せわしない日々を過ごす中では、すぐにノイズに押しつぶされてしまいそうになるものです。本書を読んで、頭の中に“よはく”を確保し、本当に大切なことに時間や思考を使いましょう。