マスコミが自らの責任を認めることはあるか

「もし回収が速やかに行われていれば、日本での被害の拡大を防ぐことができたであろうことは言うに及びません。問題が明らかになるのは多数の被害者が出た後なのです。いまのワクチンをとりまく状況は、当時の教訓が生かされていないように感じてしまいます」(参照:佐藤嗣道氏厚生労働省提出資料「サリドマイド薬害について」2010年7月16日、および『女性セブン』2021年8月12日号、鳥集徹と女性セブン取材班「新型コロナ ワクチンを『打たない』と決めた人々の理由とは」より)。

これからマスコミが手のひら返しをして、このワクチンを叩き始めるかどうかはわかりませんが、徹底的に無視を決め込み続けるか、それが無理だとわかると自分たちに火の粉がふりかからないように、政府や厚労省を叩きまくるかのどちらかでしょう。彼らが進んで自らの責任を認めることはないように思います。

だからといって、マスコミの責任がなくなるわけではありません。たとえば心筋炎・心膜炎は、すでに2021年6月にはイスラエル保健当局が「ワクチンとの因果関係がある可能性が高い」との調査結果を公表しており、海外メディアでも報道されていました(ロイター「ファイザー製ワクチン、接種後に心筋炎 イスラエルが関連性指摘」2021年6月2日)。

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ワクチンの副反応は大々的に報道されなかった

2021年の6月といえば、まだ大学等での集団接種が本格的に始まる前です。

鳥集徹『医療ムラの不都合な真実』(宝島社)

もしこの事実が、日本のマスコミでもっと大々的に報道されていたら、接種後の心筋炎・心膜炎でつらい思いをする若者たちは、もっと少なかったかもしれません。

サリドマイドのときと同じです。

薬害の歴史にまったく学ばないどころか、同じ過ちを何度も繰り返すマスコミに私は呆れ、そして怒りすら感じています。

もっと歴史をさかのぼれば、第二次世界大戦中、日本の新聞やNHKのラジオ放送は、政府と一体になって戦争を煽りました。政府の検閲を受け入れて、「大本営発表」を右から左に垂れ流し、日本軍が敗走しているにもかかわらず、連戦連勝しているかのような「ウソ」を国民に吹き込んでいったのです。