歴史を振り返れば、株式市場で勝ってきたのは常に少数派なのです。

たしかに、米国株へ投資して実際にリターンを上げている個人投資家も多くいますが、最初から日本株という選択肢を外してしまうのは、あまりにもったいない。

とくにこれから投資を始める初心者の方には、日本株か米国株かどちらか一方だけというような考え方ではなく、選択肢を幅広く持ち、投資先の特性を理解した上で投資をおこなった方が後悔はないでしょう。

「大切なのは、高くなりすぎている株は買わないこと」

株価が好調な時には色々な理由をつけて、それを正当化しようとするのが世の常です。

しかし、その本質的価値を大幅に超えて上昇した株価は、いずれ下落し、本来あるべき水準に落ち着くことがほとんど。1980年代に起こった日本の資産バブルの絶頂期においては、数字の上では「東京23区の地価でアメリカ全土の土地が買える」と言われていました。

当時の日本では、地価が上昇し続けるという「土地神話」が信じられており、振り返れば狂気としか思えない状況になっていたのです。

人間というものは、後から考えれば当たり前だと思えるようなことも、渦中にあっては気が付かないもの。

この本を執筆している現在、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)と呼ばれる米国の巨大IT企業5社の時価総額が、1000兆円を超えています。ちなみに、東証1部上場企業2200社弱の時価総額の合計は、800兆円に届きません。

長期株式投資『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)

数字の上では、米国の5社で日本の2200社が買えて、おつりが200兆円戻ってくることになります。過去にあった出来事とどこか似ていませんか。

大切なのは、高くなりすぎている株は買わないということ。そのような株を買わずとも、株式市場には無数の選択肢があるのです。

最後に注意を一つ。

現在の世界情勢は株価が乱高下しやすい相場です。

長期配当投資は、①長く保有すること、②長期にわたって積み立ていくこと、で勝率を高める投資法。なので、これから始める方は、株価の上がり下がりに一喜一憂せず、この2つを守って投資を行うようにしてください。

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