絶対に守るべき2つのルール
どのようにマイクロマネジメントをすればいいかは、プロジェクト内容やチーム作業の特性によるので、私が行なった事例を紹介します。
金融系システムで金額計算を行なう機能を開発するチームで約30名のメンバーがいました。マイクロマネジメントを実施した期間は約3カ月です。
毎日、朝会と夕会を行い、そこでは作業計画である10ページのWBS(Work Breakdown Structure)を全部印刷して、ひとつひとつの作業タスクの進捗を確認し、遅延や課題が発生している場合にはその場で対応指示をしていました。
そして、進捗が戻ってきて安定したタイミングで、マイクロマネジメントをやめました。
マイクロマネジメントをする際には、とても大切なルールがあります。
「早めに始めてはいけない」、そして「ずっとやり続けてはいけない」の2点です。
モチベーションも成長速度も下がる
理由は、マイクロマネジメントには大きなデメリットがあるからです。それは、リーダーやメンバーのモチベーションを下げ、成長の妨げとなることです。
すべての作業指示を出したり、課題解決を指示したりすると、そのチームメンバーからすれば、「自分は判断することが許されないただの駒である」という感情が出てきてモチベーションが下がります。
また、自分で考えても意味がない、と思い始めてしまいます。このような状態が長く続くと、チームも個人も成長しません。
ですから、マイクロマネジメントは、「期間限定である」と最初に宣言してから開始し、状況が改善したら通常のマクロマネジメントに戻しましょう。
このルールを守れなければ、マイクロマネジメントは逆効果になります。