今回の改正でより「個人の権利保護」が強化された

2022年施行の改正個人情報保護法で注目すべきは、個人の権利保護が拡充されたことでしょう。

例えば、従来では6カ月以内に消去される個人データは「保有個人データ」と見なされず、利用停止等の請求対象にはなりませんでした。ですが、改正法では保存期間による定義がなくなり、短期間でも「保有個人データ」となるため、利用停止や開示などの請求を行うことができます。

また、インターネット広告に大きく影響を与える改正は、企業間におけるデータの提供について見直しが行われたことです。

具体的には、提供元では個人情報に該当しないデータであっても、提供先でその企業が保有しているデータと掛け合わせることで個人情報になりうる場合、データを提供する際に個人の同意が必要になりました。

例えば、提供元のA社でユーザーの閲覧履歴を取得する場合、Webサイトを見るためのブラウザIDと閲覧履歴は取得できるものの、そのユーザーの氏名や年齢などが不明で個人を特定できない場合は個人データに当たりません。

しかし、その情報をB社に提供する際、もしB社がブラウザIDと氏名や年齢などを紐づけたデータベースを持っていた場合、A社から提供されたデータは個人情報になります。そのようなとき、改正法ではデータ取得の際に本人の同意が必要になり、それがないとデータの提供が受けられなくなるのです。

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Webマーケティングの難易度が上がる

個人情報保護法改正により、個人データの取り扱いはより慎重に行わなければならなくなり、Webマーケティングにおけるターゲティングや計測の難易度が上がると予想されます。

さらに、個人情報保護の動きはますます加速しており、ここではその代表例を2つ紹介したいと思います。

1つ目はApple社が提供するIDで、iPhoneの端末ごとに振り分けられるIDFA(Identifier for Advertisers)というもの。これがオプトアウト方式からオプトイン方式に変更されました。

iPhoneではSNSやアプリを利用したとき、ユーザーがどのような記事を見て、どんなフィードに「いいね!」をし、どんなコメントをし、何をシェアしたのか、また友達は何人いるか、居住地はどこなのかといった情報はIDFAを軸に記録されています。

そうした個人情報を公開したくない人に向けて、これまではIDFAの活用を制限できるオプトアウトが設けられていました。