意思の強さは「目じりの位置」に

また、上がり目(目尻の上がった目)は、意志の強さを表します。

佐藤ブゾン貴子『あなたの顔には99%理由がある』(河出書房新社)

目標を掲げ、それに向かって頑張ろうと切磋琢磨せっさたくましているときは目尻が少しずつ上がってくることがあります。同時に、上がり目は人の話に耳を傾けない傾向も表しますから、自分の目が上がってきたときには、自分の理想や目標にこだわりすぎていないか、視野が狭くなっていないかという視点を持つことも大切です。

一方、下がり目(目尻の下がった目)は、人の意見をきちんと聞ける姿勢があることを表しています。ただし人の意見に流されてしまうとか、優柔不断になりやすいという傾向もありますので、自分の目が下がってきたら、その点を注意しましょう

そのほか、目と目の間の距離が「眼球一つ分」より広い場合は、好奇心が旺盛でさまざまなことに目を向けたいという傾向を表しています。

反対に「眼球一つ分」より狭い場合は、一つのことに集中しており、いくつものことを並行して行うのは苦手な傾向があります。

黒目の位置の変化は精神的な赤信号

目には、内面の苦境が表れることもあります。鏡を見て、自分の黒目の位置をチェックしてみてください。以前は黒目が目の真ん中に表れていたのに、黒目が上まぶた寄りになり、下まぶたとの接地点が少なくなっている(俗にいう三白眼のような状態)としたら、精神的に苦しい状態かもしれません。

セッションで悩み相談に来る方がこうした目になっていて、しかも細い輪郭のレトラクテの場合、私は今の環境を見直したほうがいいとアドバイスしています。職場や仕事でつらい思いをしているなら、「今すぐやめたほうがいい」と言うこともあります。精神的にかなり疲れている状態と言えるからです。

「目のくぼみ」「左右の高さ」も要チェック

また、正面から見て、どちらかの目がくぼんでいる場合にも注意が必要です。

相貌心理学では、利き手側は現在や未来を、利き手側でないほうは過去を表します。

もし利き手側の目がくぼんでいる場合は、今、目の前に心痛の原因や困難があるということを示しています。また、利き手側ではないほうの目がくぼんでいる場合は、過去に目を背けたくなるほどの心痛や困難があったことを示しています。

しかし、心痛や困難が改善されていくと、目のくぼみは消えていく傾向があります。

さらに、左右の目の高さが違うときは意識が散漫になっており、自分にとって大切なものを選び取れない状態にあることを示します。

特に利き手側の目が低いときは、意識が散漫になり、今は正しい選択ができない傾向を示します。

自分でよくわからない場合は、写真を撮って左右の目の高さを比べてみてください。

イラスト=福原伸一 佐藤ブゾン貴子『人は顔を見れば99%わかる』(河出書房新社)より